第15回 言語聴覚士国家試験 第84問
嚥下障害第15回
誤っているのはどれか。
- 1.加齢に伴い喉頭は下垂する。
- 2.嚥下反射の中枢は延髄にある。
- 3.輪状咽頭筋は嚥下時に弛緩する。
- 4.吸啜反射は3ヶ月頃から減弱する。
- 5.嚥下機能は1歳頃までに完成する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 嚥下機能は1歳頃までに完成する。
嚥下機能の成熟には1歳以上の時間が必要です。特に嚥下反射は生後3〜4ヶ月で出現しますが、安定した嚥下運動が確立されるのは生後6〜12ヶ月であり、完全な機能的成熟は1歳6ヶ月から2歳にかけて達成されます。したがって「1歳頃までに完成」という記述は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 加齢に伴い喉頭は下垂する。
✅ 正しい。加齢により喉頭周囲の筋肉と靱帯が弛緩し、喉頭が下垂します。これにより喉頭挙上が低下し、誤嚥リスクが増加します。
2. 嚥下反射の中枢は延髄にある。
✅ 正しい。嚥下反射の中枢神経は延髄の疑核および孤束核に位置します。脳幹脳炎や延髄梗塞では嚥下反射が消失するのはこのためです。
3. 輪状咽頭筋は嚥下時に弛緩する。
✅ 正しい。輪状咽頭筋(咽頭上括約筋:UES)は嚥下時に弛緩し、食塊の咽頭期から食道期への通過を促進します。UESの過緊張は嚥下困難を引き起こします。
4. 吸啜反射は3ヶ月頃から減弱する。
✅ 正しい。吸啜反射は新生児の基本的反射であり、生後3〜4ヶ月頃から生理的に減弱・消失します。この時期に随意的な摂食動作へ移行します。
5. 嚥下機能は1歳頃までに完成する。
❌ 誤り。嚥下反射は生後3〜4ヶ月で出現し、生後6〜12ヶ月で安定した嚥下運動が確立されますが、嚥下機能の完全な機能的成熟は1歳6ヶ月から2歳で達成されます。1歳時点では完全には完成していません。
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【試験対策ポイント】
嚥下発達のマイルストーン:
| 月齢 | 嚥下機能の特徴 |
|---|---|
| 新生児 | 吸啜反射・嚥下反射あり |
| 3〜4ヶ月 | 吸啜反射減弱、嚥下反射出現 |
| 6〜12ヶ月 | 安定した嚥下運動確立、固形食開始 |
| 1歳6ヶ月〜2歳 | 嚥下機能の完全成熟 |
| 3歳以降 | 成人型嚥下と同様 |
キーワード:嚥下の「出現」と「完成」は別物
・嚥下反射の「出現」:生後3〜4ヶ月
・嚥下機能の「完成」:1歳6ヶ月〜2歳
加齢と嚥下:
- 喉頭下垂 → 喉頭挙上低下 → 誤嚥リスク↑
- 輪状咽頭筋の過緊張 → 嚥下困難
- 咳反射感度低下 → 不顕性誤嚥のリスク