STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第88問

吃音第15回
吃音中核症状に含まれないのはどれか。 a.挿入 b.阻止 c.引き延ばし d.音の繰り返し e.語全体の繰り返し 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 吃音の中核症状(core behaviors)は、話す際の流暢性の障害を特徴とする音声生成の異常です。中核症状に含まれるのは「音の繰り返し」「音節の繰り返し」「引き延ばし」「阻止」の4つです。一方、「挿入」と「語全体の繰り返し」は二次的症状(secondary behaviors)に分類されます。 --- 【各選択肢の解説】 a. 挿入 ❌ 誤り。挿入(interjection)は「あ、えっと」などの不要な音や言葉を挿入する行動で、二次的症状に分類されます。話の流暢性を保とうとする代償行動であり、吃音の発症メカニズムそのものではありません。 b. 阻止 ✅ 正しい。阻止(block)は音が出ない状態で、声帯や調音器官の緊張により発声が一時的に遮断される現象です。吃音の中核症状の典型例であり、問診や検査で最初に認識される症状の1つです。 c. 引き延ばし ✅ 正しい。引き延ばし(prolongation)は音を長く引く現象で、「あああああいうえお」のような状態です。中核症状として国際的に認識されており、音声波形でも延長が明らかに視認できます。 d. 音の繰り返し ✅ 正しい。音の繰り返し(sound/syllable repetition)は「ば、ば、ばなな」のように音節レベルで繰り返す現象です。吃音の最も顕著な中核症状であり、発症年代も早く、診断的意義が高いです。 e. 語全体の繰り返し ❌ 誤り。語全体の繰り返し(word repetition)は「バナナ、バナナ」のように単語全体を繰り返す行動で、二次的症状に分類されます。音節の繰り返しと異なり、語単位での繰り返しは流暢性障害を補う代償的行動とされています。 --- 【試験対策ポイント】 吃音症状の分類 | 中核症状(Core) | 二次的症状(Secondary) | |---|---| | 音の繰り返し | 挿入(interjection) | | 音節の繰り返し | 語全体の繰り返し | | 引き延ばし | 回避・逃避行動 | | 阻止 | 身体的緊張 | | | 付随運動 | キーワード解説 - 中核症状:吃音の発症メカニズムに直結する異常(音声生成の障害) - 二次的症状:中核症状に対する心理的・行動的反応(代償戦略を含む) - 「語全体の繰り返し」が二次的とされる理由:単語単位での繰り返しは、音節レベルの障害から意識的に逃避しようとする行動とみなされるため 頻出の混同ポイント - 「音の繰り返し」(中核)vs「語全体の繰り返し」(二次):粒度の違いで区別 - 「引き延ばし」は明らかに流暢性を破綻させるため中核症状に分類される
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