STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第92問

小児聴覚障害第15回
聴覚障害幼児への話しかけで適切でないのはどれか。 a.ゆっくりと話す。 b.身振りを添えて話す。 c.音節で区切って話す。 d.耳元で大きな声で話す。 e.はっきりと正確に話す。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c,d 聴覚障害幼児への効果的な話しかけは、聴覚と視覚の両方を活用することが基本です。音節で区切って話すことは音声のリズムや自然な流れを損ない、聴覚障害児の言語獲得を阻害します。また、耳元で大きな声で話すことは音響特性を歪ませ、補聴器やCI装用児にとって不快感を生じさせ、かえって聞き取りを妨げます。 --- 【各選択肢の解説】 a. ゆっくりと話す。 ✅ 正しい。ゆっくりとした話速により、聴覚障害児が音声情報を処理するための時間的余裕が生まれ、音の弁別と理解を促進します。 b. 身振りを添えて話す。 ✅ 正しい。聴覚障害児は視覚情報に大きく依存しています。身振りやジェスチャーを添えることで、文脈理解と意味の把握が向上します。 c. 音節で区切って話す。 ❌ 誤り。音節区切り話法(「あ・か・さ・た・な」と一音一音分ける)は、音声のリズムと連続性を破壊し、自然な言語習得を妨げます。むしろ自然な会話リズムでの入力が重要です。 d. 耳元で大きな声で話す。 ❌ 誤り。過剰な音量は音響歪を招き、補聴器やCI装用児にとってフィードバック音や不快感を誘発します。適正な音量でのクリアな話し方が有効です。 e. はっきりと正確に話す。 ✅ 正しい。口唇の動きが明確になり、視覚的情報としての価値が高まります。また、音声としても弁別特性が向上し、聴覚療法の対象として有効です。 --- 【試験対策ポイント】 聴覚障害児への話しかけの原則 | 手法 | 有効性 | 理由 | |---|---|---| | ゆっくり話す | ○ | 処理時間確保 | | 身振り併用 | ○ | 視覚補償 | | 正確な発話 | ○ | 口唇読話・聴覚入力の質向上 | | 音節区切り | ✗ | リズム・自然性の喪失 | | 耳元で大声 | ✗ | 音響歪み・補聴器フィードバック | 重要否定知識: - 音節区切り話法は古い方法論(現在は非推奨) - 「大きい音=聞こえやすい」は誤り(歪み増加) - 聴覚障害児の言語獲得には「自然な言語入力」が必須
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