第15回 言語聴覚士国家試験 第96問
耳鼻咽喉科学第15回
進行性難聴を示さないのはどれか。
- 1.アッシャー症候群
- 2.多発性硬化症
- 3.先天性風疹症候群 ✓
- 4.ミトコンドリア脳筋症
- 5.ストレプトマイシンによる難聴
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 先天性風疹症候群
先天性風疹症候群は「先天的な聴力低下」を示しますが、その後「進行性」ではなく「安定的」な経過をたどります。一方、他の4つはいずれも出生後に聴力がさらに低下する進行性難聴が特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. アッシャー症候群
❌ 誤り。常染色体劣性遺伝の遺伝性疾患で、先天性聴覚障害と進行性網膜色素変性症(レチノーシス)を特徴とします。幼少期から進行性難聴を示し、思春期以降に視覚障害が顕著化します。
2. 多発性硬化症
❌ 誤り。中枢神経系の脱髄疾患で、聴覚路を障害した場合、進行性の聴力低下を示すことがあります。再発寛解型で経過しますが、難聴の悪化が報告されています。
3. 先天性風疹症候群
✅ 正しい。母体の風疹ウイルス感染による先天奇形で、難聴・白内障・心奇形の古典的3徴を示します。聴力低下は先天的ですが、**その後の進行性難聴は特徴ではなく、むしろ安定的**です。このため「進行性難聴を示さない」という問題文に該当します。
4. ミトコンドリア脳筋症
❌ 誤り。ミトコンドリアDNAの異常により、乳幼児期から進行性難聴を示す代表的疾患です。難聴のほか、筋力低下・発作・認知機能低下を伴うことがあります。
5. ストレプトマイシンによる難聴
❌ 誤り。アミノグリコシド系抗菌薬による内耳毒性により、特に前庭機能障害と進行性感音難聴を引き起こします。用量依存的に進行し、投与中止後も難聴の進行が続くことがあります。
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【試験対策ポイント】
進行性難聴を示す疾患(頻出):
| 疾患名 | 難聴の特徴 | 進行性の有無 |
|---|---|---|
| アッシャー症候群 | 先天性聴覚障害+網膜色素変性 | あり(進行性) |
| 多発性硬化症 | 脱髄による聴覚路障害 | あり(再発型) |
| 先天性風疹症候群 | 先天性難聴(古典3徴)→安定 | なし(固定的) |
| ミトコンドリア脳筋症 | 乳幼児期から難聴+筋症状 | あり(進行性) |
| アミノグリコシド誘発性難聴 | 用量依存的感音難聴 | あり(進行性) |
重要な否定知識:
- 先天性風疹症候群の難聴は「進行しない」(この違いが出題のカギ)
- 先天性難聴と進行性難聴は別概念(区別が必須)