STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第97問

補聴器・人工内耳第15回
補聴器のノンリニア増幅について正しいのはどれか。 a.ボリューム操作回数を低減できる。 b.入力音に応じて出力音周波数を変化させる。 c.ハウリングを防止する。 d.騒音下の聞きとりを改善する。 e.入力音のレベルによって増幅度を自動的に変化させる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e ノンリニア増幅(非線形増幅)は、入力音のレベルに応じて増幅度を自動的に変化させる補聴器の機能です。小さい音は大きく増幅し、大きい音は小さく増幅することで、ユーザーが様々な音環境でボリューム操作を頻繁に行う必要がなくなり、同時に出力音が耳に快適な範囲に自動調整されます。 --- 【各選択肢の解説】 a. ボリューム操作回数を低減できる。 ✅ 正しい。入力音レベルの変化に対して増幅度が自動調整されるため、ユーザーが手動でボリュームを頻繁に調整する必要がなくなります。 b. 入力音に応じて出力音周波数を変化させる。 ❌ 誤り。周波数の変化ではなく、あくまで「同じ周波数の音に対する増幅度(ゲイン)」を変化させるものです。周波数特性の変化は周波数補正機能など別の機能に該当します。 c. ハウリングを防止する。 ❌ 誤り。ハウリング防止はハウリングキャンセラーなど別機能の役割です。ノンリニア増幅はハウリング防止効果を持ちません。 d. 騒音下の聞きとりを改善する。 ❌ 誤り。ノンリニア増幅は入力音全体のレベルに応じて増幅度を変化させるだけで、騒音と言語音を区別して処理する機能ではないため、騒音下の聞き取り改善に直結しません。その役割はノイズキャンセラーなど別機能です。 e. 入力音のレベルによって増幅度を自動的に変化させる。 ✅ 正しい。ノンリニア増幅の定義そのものです。圧縮増幅(compression amplification)とも呼ばれ、入力音が大きいほど増幅度(利得)が小さくなり、入力音が小さいほど増幅度が大きくなります。 --- 【試験対策ポイント】 ノンリニア増幅と他の補聴器機能の比較: | 機能 | 役割 | 入出力の関係 | |---|---|---| | ノンリニア増幅 | 入力レベルの変化に対応。ボリューム操作削減 | 入力レベルで増幅度が変化 | | ハウリングキャンセラー | 返ってきた音を検出して位相反転させる | 特定周波数の増幅抑制 | | ノイズキャンセラー | 騒音と言語を分離・除去 | スペクトラム解析で処理 | | 周波数補正 | 高音域減弱など音質調整 | 周波数ごとに異なるゲイン設定 | キーワード:圧縮増幅、ダイナミックレンジ管理、自動利得制御(AGC)
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