第16回 言語聴覚士国家試験 第100問
小児聴覚障害第16回
視覚聴覚二重障害を発症する疾患はどれか 。
a.糖尿病
b.アッシャー症候群
c.アルポート症候群
d.ペンドレッド症候群
e.ミトコンドリアDNA1555点変異
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b(糖尿病、アッシャー症候群)
視覚聴覚二重障害を発症する疾患を見極める問題です。両者の条件は「視力障害と聴力障害の両方を起こすこと」。糖尿病は網膜症で視力障害、糖尿病性難聴で聴力障害を生じます。アッシャー症候群は網膜色素変性症による進行性視力障害と感音難聴を同時に起こす典型的な二重障害疾患です。
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【各選択肢の解説】
a. 糖尿病
✅ 正しい。糖尿病網膜症による視力障害と糖尿病性難聴(感音難聴)の両者を生じるため、視覚聴覚二重障害の原因となります。ただし日本ではアッシャー症候群ほど一般的ではありません。
b. アッシャー症候群
✅ 正しい。網膜色素変性症による進行性視力障害(初期は夜盲、進行で周辺視野狭窄→中心視力喪失)と先天性感音難聴の両者を特徴とします。視覚聴覚二重障害の最も典型的な遺伝性疾患です。
c. アルポート症候群
❌ 誤り。進行性難聴(高音域から始まる感音難聴)と眼病変(前円錐角膜、レンズ濁点)を起こしますが、網膜障害による視力低下は主要症状ではなく、視力障害が顕著ではないため二重障害の原因とは言えません。
d. ペンドレッド症候群
❌ 誤り。先天性甲状腺腫と感音難聴を特徴とする疾患で、聴覚障害のみで視覚障害は起こしません。視覚聴覚二重障害の原因ではありません。
e. ミトコンドリアDNA1555点変異
❌ 誤り。アミノグリコシド系抗生物質による薬剤誘発性難聴の遺伝的素因となりますが、感音難聴のみで視覚障害は起こさないため二重障害の原因ではありません。
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【試験対策ポイント】
視覚聴覚二重障害の原因疾患
| 疾患名 | 視力障害 | 聴覚障害 | 二重障害 |
|---|---|---|---|
| アッシャー症候群 | 網膜色素変性症 | 先天性感音難聴 | ✓ 典型例 |
| 糖尿病 | 網膜症 | 糖尿病性難聴 | ✓ |
| アルポート症候群 | 眼病変(角膜異常)軽微 | 進行性感音難聴 | ✗ 視力障害不顕著 |
| ペンドレッド症候群 | なし | 感音難聴のみ | ✗ |
| ミトコンドリアDNA1555変異 | なし | 難聴のみ | ✗ |
重要な区別点:
- アッシャー症候群:両親が健聴(多くは劣性遺伝)。言語発達前の聾児が大多数
- アルポート症候群:難聴は起こすが、眼病変で「視力低下」をきたさない(角膜の形態異常)
- ペンドレッド症候群:難聴のみ(甲状腺腫が付加特徴)
- 糖尿病:高齢発症が多く、網膜症進行と同時に感音難聴が顕在化