第16回 言語聴覚士国家試験 第104問
病理学第16回
疾患と遺伝形式との組合せで誤っているのはどれか。
- 1.血友病A ― X連鎖劣性遺伝
- 2.血友病B ― 常染色体劣性遺伝 ✓
- 3.フェニルケトン症 ― 常染色体劣性遺伝
- 4.ハンチントン病 ― 常染色体優性遺伝
- 5.ディシェンヌ型筋ジストロフィー ― X連鎖劣性遺伝
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 血友病B ― 常染色体劣性遺伝
血友病B(クリスマス病)は血友病Aと同様にX連鎖劣性遺伝です。第Ⅸ因子の欠乏が原因で、遺伝形式は常染色体劣性ではなくX連鎖劣性です。選択肢2は遺伝形式を誤って表記しているため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 血友病A ― X連鎖劣性遺伝
✅ 正しい。血友病Aは第Ⅷ因子欠乏症で、X染色体上の遺伝子異常によるX連鎖劣性遺伝です。主に男性が発症し、女性は保因者となります。
2. 血友病B ― 常染色体劣性遺伝
❌ 誤り。血友病B(クリスマス病)は第Ⅸ因子欠乏症で、遺伝形式は「X連鎖劣性遺伝」です。常染色体劣性遺伝ではありません。血友病A・BともにX連鎖劣性遺伝で、この点は頻出の誤り問題です。
3. フェニルケトン症 ― 常染色体劣性遺伝
✅ 正しい。フェニルケトン症(PKU)はフェニルアラニン水酸化酵素欠乏症で、常染色体劣性遺伝です。新生児スクリーニングの代表疾患であり、食事療法で予防可能です。
4. ハンチントン病 ― 常染色体優性遺伝
✅ 正しい。ハンチントン病はハンチンチン遺伝子のCAG反復配列異常による常染色体優性遺伝です。30~50歳代に発症する進行性神経変性疾患で、不随意運動が特徴です。
5. ディシェンヌ型筋ジストロフィー ― X連鎖劣性遺伝
✅ 正しい。ディシェンヌ型筋ジストロフィーはジストロフィン遺伝子のX染色体上の変異によるX連鎖劣性遺伝です。主に男児が発症し、進行性の筋脱力を示します。
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【試験対策ポイント】
遺伝形式と主要疾患の対応
| 遺伝形式 | 代表疾患 |
|---|---|
| X連鎖劣性遺伝 | 血友病A・B、ディシェンヌ型筋ジストロフィー、色盲 |
| 常染色体劣性遺伝 | フェニルケトン症、嚢胞性線維症、脊髄性筋萎縮症 |
| 常染色体優性遺伝 | ハンチントン病、マルファン症候群、家族性高コレステロール血症 |
紛らわしい点の整理
血友病A・Bの鑑別→「どちらもX連鎖劣性」が重要。第Ⅷ因子(A)か第Ⅸ因子(B)かで区別するが、遺伝形式は同一
X連鎖劣性遺伝の特徴:男性が圧倒的に多く発症、女性は保因者(通常発症しない)
STとしての関連知識
ディシェンヌ型筋ジストロフィーは進行に伴い構音障害・嚥下障害が出現する対象疾患となります。遺伝カウンセリングでは患者・家族に正確な遺伝形式の説明が必要です。