第23回 言語聴覚士国家試験 第114問
病理学第23回
創傷の処置で治癒を遅らせる局所因子となるのはどれか。
- 1.創面の空気との接触
- 2.温水による創面の洗浄
- 3.創面への消毒薬の使用 ✓
- 4.ガーゼによる創面の被覆
- 5.創面にある壊死組織の除去
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 創面への消毒薬の使用
創傷治癒は局所の微小環境が重要です。消毒薬(イソジン、エタノールなど)は病原菌の増殖を抑える一方で、肉芽形成に必要な線維芽細胞や血管新生を阻害し、治癒を遅延させます。現在の標準的創傷処置は「湿潤環境の維持」と「清浄化」であり、強い消毒薬の常用は推奨されていません。
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【各選択肢の解説】
1. 創面の空気との接触
❌ 誤り。むしろ乾燥環境は治癒を遅延させます。空気との接触自体が直接的な治癒遅延因子ではありません。かさぶた形成により治癒が停滞することが問題です。
2. 温水による創面の洗浄
✅ 正しい対応。温水洗浄は感染の危険性を減らし、壊死組織や異物を除去し、治癒を促進します。創傷ケアの基本原則です。
3. 創面への消毒薬の使用
✅ 正答。消毒薬は抗菌効果を持つ一方で、肉芽組織形成に必要な線維芽細胞や内皮細胞を傷害し、炎症を延長させます。治癒遅延の局所因子です。
4. ガーゼによる創面の被覆
✅ 正しい対応。創面被覆は感染防止、湿潤環境維持、治癒促進に寄与します。現在はシリコーンガーゼなどの非固着ガーゼが推奨されます。
5. 創面にある壊死組織の除去
✅ 正しい対応。デブリードマン(壊死組織除去)は感染防止と肉芽形成促進のため必須です。治癒を加速させる局所対応です。
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【試験対策ポイント】
創傷治癒の局所因子(治癒を促進する条件)と遅延因子の整理:
| 因子 | 促進(推奨) | 遅延(避けるべき) |
|---|---|---|
| 消毒薬 | 必要時のみ(強い薬剤は避ける) | 頻回・過剰使用 |
| 環境 | 湿潤環境 | 乾燥環境 |
| 壊死組織 | 積極的除去 | 放置 |
| 洗浄 | 温水洗浄推奨 | 冷水・乱暴な洗浄 |
| 被覆 | モイストウンド療法 | 無被覆状態 |
| 感染 | 清浄状態 | 化膿・感染 |
キーワード:「モイストウンド療法」「デブリードマン」「消毒薬の細胞毒性」