第16回 言語聴覚士国家試験 第105問
内科学第16回
甲状腺機能低下症で出現しないのはどれか 。
- 1.発汗増加 ✓
- 2.浮腫
- 3.便秘
- 4.全身倦怠感
- 5.皮膚乾燥
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 発汗増加
甲状腺機能低下症(hypothyroidism)は甲状腺ホルモン(T3・T4)の分泌低下により、代謝が全般的に低下する疾患です。発汗は代謝が上昇する際に増加するため、甲状腺機能低下症では「発汗は増加しない」が正解です。むしろ発汗は「減少」します。
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【各選択肢の解説】
1. 発汗増加
❌ 誤り。甲状腺機能低下症は代謝低下が特徴のため、発汗は増加しません。むしろ発汗減少・寒冷不耐が出現します。この選択肢が「出現しないもの」を求める問題の正答です。
2. 浮腫
✅ 出現する。甲状腺ホルモン低下により、ムコ多糖類が皮下組織に貯留し、粘液水腫(myxedema)が生じます。特に顔面・まぶた・手指に浮腫が出現。
3. 便秘
✅ 出現する。甲状腺ホルモン低下により消化管蠕動が低下するため、便秘が出現します。これは甲状腺機能低下症の典型的症状の1つです。
4. 全身倦怠感
✅ 出現する。代謝低下により、全身の疲労感・脱力感が強く出現します。患者は「何もやる気が出ない」と訴えることが多いです。
5. 皮膚乾燥
✅ 出現する。甲状腺ホルモン低下により皮膚の新陳代謝が低下し、皮膚乾燥・粗糙化が出現します。皮膚冷感も伴うことが多い。
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【試験対策ポイント】
甲状腺機能亢進症 vs 低下症の症状比較:
| 症状 | 機能亢進症 | 機能低下症 |
|---|---|---|
| 発汗・体温 | 発汗増加・高熱感・寒冷不耐なし | 発汗減少・低体温傾向・寒冷不耐 |
| 心機能 | 頻脈・動悸 | 徐脈・心音弱い |
| 精神・神経 | 興奮・落ち着きない | 倦怠感・うつ傾向 |
| 消化管 | 下痢・食欲亢進 | 便秘・食欲低下 |
| 皮膚 | 湿潤・温感 | 乾燥・粗糙・寒冷感 |
| 体重 | 体重減少 | 体重増加(むくみも含む) |
| 眼 | 眼球突出(Graves) | 眼瞼下垂 |
重要:「出現しない症状」の問い方では、機能亢進症の特徴(発汗増加・頻脈など)が低下症では「出現しない」ため、対比して覚えることが有効です。