第16回 言語聴覚士国家試験 第106問
小児科学第16回
正しいのはどれか
- 1.核黄痘後遺症では痙直型両麻痩をきたす。
- 2.脊髄性筋萎縮症 I 型では座位は獲得できる。
- 3.小児の重症筋無力症では全身型が多い。
- 4.デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは歩行は獲得できない。
- 5.福山型先天性筋ジストロフィーでは知的障害を合併する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 福山型先天性筋ジストロフィーでは知的障害を合併する。
福山型先天性筋ジストロフィーは、日本で最も頻度の高い先天性筋ジストロフィーであり、筋障害だけでなく脳形成異常(脳表面の異常(コブラ頭)や脳構造異常)を伴うため、ほぼ全症例で知的障害を合併することが特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 核黄痘後遺症では痙直型両麻痩をきたす。
❌ 誤り。核黄痘後遺症では、基底核障害により「不随意運動型(アテトーゼ型)」または「失調型」の脳性麻痺をきたします。痙直型両麻痺は慢性硬膜下血腫や脳室周囲白質軟化症など、他の周産期脳障害の結果です。
2. 脊髄性筋萎縮症 I 型では座位は獲得できる。
❌ 誤り。SMA I 型(Werdnig-Hoffmann病)は最重症型で、生後6ヶ月以内に発症し、座位すら獲得できず、通常18ヶ月までに呼吸筋麻痺で死亡します。座位獲得は II 型以上の特徴です。
3. 小児の重症筋無力症では全身型が多い。
❌ 誤り。小児重症筋無力症では「眼筋型」が約50〜60%と圧倒的多数派です。成人では全身型が多いことと区別することが重要です。
4. デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは歩行は獲得できない。
❌ 誤り。DMD患者の大多数(95%以上)は歩行を獲得します。症状の発症は2〜3歳であり、その前に歩行獲得段階を経ています。ただし12歳前後には歩行能力が失われます。
5. 福山型先天性筋ジストロフィーでは知的障害を合併する。
✅ 正しい。福山型は脳形成異常(コブラ頭、脳回異常)を伴うため、全症例で知的障害が合併します。筋症状に加えて認知機能障害が重要な臨床特徴です。
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【試験対策ポイント】
周産期脳障害と進行性筋疾患の分類
| 疾患 | 発症時期 | 主な障害型 | 進行性 | 知的障害 |
|---|---|---|---|---|
| 核黄痘後遺症 | 周産期 | アテトーゼ型/失調型 | いいえ | 変動的 |
| 脳性麻痺(痙直型) | 周産期 | 痙性麻痺 | いいえ | 変動的 |
| SMA I型 | 生後6ヶ月以内 | 進行性筋力低下 | はい(急速) | なし |
| DMD | 2〜3歳 | 進行性筋力低下 | はい(徐々に) | なし |
| 福山型先天性筋ジストロフィー | 新生児期 | 筋力低下+脳形成異常 | はい | はい(全例) |
重症筋無力症の小児 vs 成人
| 特徴 | 小児 | 成人 |
|---|---|---|
| 眼筋型の割合 | 50〜60%(多い) | 20〜30% |
| 全身型の割合 | 30〜40% | 60〜80%(多い) |
| 夕方悪化 | あり | あり |
SMA I型の重要点数
- 発症:生後6ヶ月以内
- 座位獲得:できない(最重要な否定知