第16回 言語聴覚士国家試験 第112問
臨床神経学第16回
高血圧と関係が深いのはどれか。
a.脳塞栓症
b.慢性硬膜下血腫
c.海綿状血管腫
d.ラクナ梗塞
e.橋出血
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d,e(ラクナ梗塞と橋出血)
高血圧は「脳出血」と「小血管病変(ラクナ梗塞)」の両方に強く関連する疾患です。ラクナ梗塞は高血圧による穿通枝の硬化が原因であり、橋出血は高血圧による深部血管破裂の代表的な疾患です。
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【各選択肢の解説】
a. 脳塞栓症
❌ 誤り。脳塞栓症の原因は「心房細動などの心疾患」または「頸動脈硬化」であり、高血圧は直接的な原因ではありません。高血圧は脳血栓症(特に大血管硬化)とは関連しますが、塞栓症とは無関係です。
b. 慢性硬膜下血腫
❌ 誤り。慢性硬膜下血腫は「軽微な頭部外傷後」に発症し、原因は外傷です。高血圧は関連因子ではなく、むしろ高齢者の転倒易好性が間接的なリスク因子とされています。
c. 海綿状血管腫
❌ 誤り。海綿状血管腫は「先天性血管奇形」であり、高血圧との因果関係はありません。発症は遺伝的素因による構造異常です。
d. ラクナ梗塞
✅ 正しい。ラクナ梗塞(≦15mm)は高血圧による「穿通枝の脂質硬化(lipohyalinosis)」が主要原因です。高血圧患者の約15〜20%に認められ、脳卒中の約15%を占めます。
e. 橋出血
✅ 正しい。橋出血は脳出血全体の5〜12%を占め、高血圧患者における「深部小血管破裂」の代表的な合併症です。高血圧が直接原因であり、血圧管理で予防可能です。
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【試験対策ポイント】
脳卒中と高血圧の関連性
| 疾患 | 高血圧との関連 | 主な原因 |
|---|---|---|
| ラクナ梗塞 | 強(直接原因) | 穿通枝の脂質硬化 |
| 橋出血 | 強(直接原因) | 深部血管破裂 |
| 脳血栓症 | 中程度 | 大血管硬化(高血圧は危険因子) |
| 脳塞栓症 | 弱 | 心房細動・心疾患(独立因子) |
| 脳出血(皮質下) | 強 | 穿通枝破裂 |
| クモ膜下出血 | なし | 動脈瘤破裂 |
記憶のコツ:「高血圧→小血管病変」
- ラクナ梗塞:穿通枝がつまる
- 橋出血:穿通枝が破ける
→ どちらも穿通枝の高血圧性病変が本質
外傷・奇形は高血圧と無関係(b,c)