第16回 言語聴覚士国家試験 第114問
形成外科学第16回
全層植皮の特徴を示すのはどれか。
- 1.移植皮膚は表皮の全部は含まない。
- 2.移植皮膚は真皮の全部は含まない。
- 3.分層植皮と比べて移植皮膚は生着しやすい。
- 4.分層植皮と比べて移植皮膚の色素沈着は軽度である。 ✓
- 5.分層植皮と比べて移植皮膚の術後収縮が生じやすい。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 分層植皮と比べて移植皮膚の色素沈着は軽度である。
全層植皮は表皮と真皮の全層を移植するため、色素細胞(メラノサイト)が豊富に含まれます。一方、分層植皮は表皮と真皮の浅層のみを移植するため色素細胞が少なく、結果として移植後の色素沈着が強くなります。したがって、全層植皮は分層植皮と比べて色素沈着が軽度です。
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【各選択肢の解説】
1. 移植皮膚は表皮の全部は含まない。
❌ 誤り。全層植皮の定義上、移植皮膚は表皮の全部を含みます。「全層」とはこの完全性を指しています。
2. 移植皮膚は真皮の全部は含まない。
❌ 誤り。全層植皮の定義上、移植皮膚は真皮の全部(全層)を含みます。真皮全層を含まない場合は分層植皮です。
3. 分層植皮と比べて移植皮膚は生着しやすい。
❌ 誤り。むしろ逆です。全層植皮は真皮が厚いため、移植後の血管新生が遅れ、生着が困難です。分層植皮の方が薄く、生着しやすいという利点があります。
4. 分層植皮と比べて移植皮膚の色素沈着は軽度である。
✅ 正しい。全層植皮は真皮全層に色素細胞が含まれるため、より正常な色調を維持しやすく、色素沈着が軽度です。分層植皮は色素細胞が少ないため、瘢痕形成とともに色素沈着が目立ちやすくなります。
5. 分層植皮と比べて移植皮膚の術後収縮が生じやすい。
❌ 誤り。むしろ逆です。全層植皮は真皮全層を含むため、術後収縮が生じにくく、より良好な整容結果が得られます。分層植皮は真皮が薄いため、術後の収縮がより顕著に生じます。
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【試験対策ポイント】
全層植皮 vs 分層植皮の主な相違点:
| 項目 | 全層植皮 | 分層植皮 |
|---|---|---|
| 移植範囲 | 表皮+真皮全層 | 表皮+真皮浅層 |
| 生着のしやすさ | 困難(血管新生遅延) | 容易 |
| 術後収縮 | 少ない | 多い |
| 色素沈着 | 軽度 | 強い |
| 整容結果 | 良好 | 劣る傾向 |
| 採皮部位の治癒 | 自家採皮部の処理困難 | 容易(再生可能) |
| 臨床使用 | 限局的・重要部位向け | 広範囲損傷向け |
頻出の誤解パターン:
- 全層は「全て含む」→生着が良いはず?→誤り。真皮厚い→血管新生困難→生着悪い
- 分層は「表皮のみ?」→違う。真皮浅層も含む→ただし色素細胞は相対的に少ない