第16回 言語聴覚士国家試験 第116問
臨床歯科医学/口腔外科学第16回
誤っているのはどれか。
- 1.象牙質う蝕では第二象牙質が形成される。
- 2.象牙質は歯根の表面を覆っている。 ✓
- 3.象牙質が露出すると歯痛が生じる。
- 4.象牙質はエナメル質よりも有機性基質が多い。
- 5.象牙質は歯胚の歯乳頭から生じる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 象牙質は歯根の表面を覆っている。
象牙質は歯根の表面を直接覆っていません。歯根の表面は「セメント質」によって覆われており、象牙質はセメント質の内側に位置します。象牙質が露出するのは、歯頸部でエナメル質とセメント質の境界部分が露出した場合です。
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【各選択肢の解説】
1. 象牙質う蝕では第二象牙質が形成される。
✅ 正しい。う蝕などの刺激に対する防御反応として、歯髄側の象牙質形成細胞(象牙芽細胞)が新たに象牙質を形成します。この新生象牙質は「第二象牙質」と呼ばれます。
2. 象牙質は歯根の表面を覆っている。
❌ 誤り。歯根の表面はセメント質によって覆われています。象牙質はセメント質の内層に存在し、歯根の大部分を構成しますが、表面を直接覆ってはいません。これは歯の解剖学的構造の基本です。
3. 象牙質が露出すると歯痛が生じる。
✅ 正しい。象牙質露出時の痛み(象牙質知覚過敏)は、象牙細管の開口により、刺激が歯髄の神経線維に伝わるためです。これは臨床的に極めて重要な現象です。
4. 象牙質はエナメル質よりも有機性基質が多い。
✅ 正しい。象牙質の有機基質含有率は約30%で、エナメル質(約4%)よりも圧倒的に多く含まれています。そのため象牙質は相対的に柔軟性があり、エナメル質よりも磨耗しやすいです。
5. 象牙質は歯胚の歯乳頭から生じる。
✅ 正しい。歯乳頭は神経堤由来の中肧葉性組織で、その象牙芽細胞から象牙質が形成されます。歯胚の3要素(エナメル器・歯乳頭・歯嚢)のうち、象牙質と歯髄は歯乳頭から生じます。
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【試験対策ポイント】
歯の層状構造(表面から内側へ)
| 構造 | 成分 | 由来 | 再生能 |
|---|---|---|---|
| エナメル質 | 無機質96% | 内エナメル上皮 | 再生不可 |
| 象牙質 | 有機質30% | 象牙芽細胞(歯乳頭) | 部分的(第二象牙質) |
| セメント質 | 有機質50% | 歯嚢外層 | 再生可能 |
象牙質の臨床的特徴
・セメント質との境界:歯頸部(エナメル質とセメント質が接する部位)
・露出部位:歯周疾患時の根面露出が最も一般的
・象牙細管:象牙質露出時の痛みの主要メカニズム
・う蝕進行:象牙質内では側方浸透が著しい
紛らわしい組織の覚え方
「エナメル質は上皮由来・無機質主体」「セメント質は歯根表面」「象牙質は内層」