第16回 言語聴覚士国家試験 第119問
嚥下障害第16回
嚥下咽頭期に収縮するのはどれか 。
a.甲状咽頭筋
b.外側輪状披裂筋
c.後輪状披裂筋
d.輪状甲状筋
e.輪状咽頭筋
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
嚥下咽頭期では、喉頭を挙上して食道入口部を開き、同時に気道を閉鎖して誤嚥を防ぐ必要があります。甲状咽頭筋は喉頭挙上の主動筋であり、外側輪状披裂筋は声帯内転による気道閉鎖に働きます。どちらも咽頭期に活動する筋肉です。
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【各選択肢の解説】
a. 甲状咽頭筋
✅ 正しい。甲状咽頭筋は咽頭期に収縮し、喉頭全体を挙上させる主動筋です。喉頭挙上により食道入口部(咽頭食道接合部)が開大し、食塊の通過を促進します。
b. 外側輪状披裂筋
✅ 正しい。咽頭期に収縮して声帯を内転させ、気道を閉鎖します。これにより誤嚥を防止します。反回神経支配です。
c. 後輪状披裂筋
❌ 誤り。後輪状披裂筋は声帯を外転(開く)させる筋肉であり、嚥下時には活動しません。むしろ呼吸時に気道を開く筋です。
d. 輪状甲状筋
❌ 誤り。輪状甲状筋は声帯の長さ・緊張を調節する発声用筋であり、嚥下咽頭期の活動筋ではありません。上喉頭神経外枝支配です。
e. 輪状咽頭筋
❌ 誤り。輪状咽頭筋という筋肉は存在しません。「咽頭ミキサー」としての働きは内咽頭筋(輪状咽頭筋群ではなく、咽頭収縮筋)が担いますが、選択肢の表現は解剖学的に不正確です。
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【試験対策ポイント】
嚥下に関わる喉頭筋の役割(咽頭期)
| 筋肉 | 支配神経 | 作用 | 嚥下時の役割 |
|---|---|---|---|
| 甲状咽頭筋 | 反回神経 | 喉頭挙上 | ✅ 主動筋:食道入口部を開く |
| 外側輪状披裂筋 | 反回神経 | 声帯内転 | ✅ 気道閉鎖で誤嚥防止 |
| 後輪状披裂筋 | 反回神経 | 声帯外転 | ❌ 呼吸用:嚥下時は非活動 |
| 輪状甲状筋 | 上喉頭神経外枝 | 声帯緊張調節 | ❌ 発声用:嚥下と関係ない |
キーワード:
- 咽頭期は「喉頭挙上」と「気道閉鎖」が同時進行
- 反回神経支配筋が嚥下に主役(甲状咽頭筋と外側輪状披裂筋)
- 後輪状披裂筋は「声帯を開く」→誤嚥防止と矛盾
- 「輪状咽頭筋」は解剖学的に存在しない造語