第16回 言語聴覚士国家試験 第127問
学習心理学第16回
忘却に関する理論でないのはどれか.
a.干渉説
b.検索失敗説
c.反応剥奪説
d.末梢説
e.抑圧説
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
忘却理論は記憶がなぜ失われるかを説明する心理学的仮説です。c(反応剥奪説)とd(末梢説)は忘却理論ではなく、他の心理学領域の理論です。a(干渉説)、b(検索失敗説)、e(抑圧説)はすべて忘却に関する主要な理論です。
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【各選択肢の解説】
a. 干渉説
✅ 正しい。新しい情報が古い情報の思い出しを妨げる(新近干渉)、あるいは古い情報が新しい情報の習得を妨げる(逆向干渉)により忘却が生じるという理論です。最も実証的証拠が豊富な忘却理論の一つです。
b. 検索失敗説
✅ 正しい。記憶そのものは脳に保存されているが、想起時に必要な手がかりがないため記憶にアクセスできず、忘却が生じるという理論です。虫歯になった経験を思い出せないのは、記憶が消失したのではなく検索できないとされています。
c. 反応剥奪説
❌ 誤り。これは強化学習理論における用語で、報酬(強化)が取り除かれることで学習された行動が減弱するという現象です。忘却理論ではなく、条件付けや行動修正の領域に属します。
d. 末梢説
❌ 誤り。これは知覚や感覚研究の理論で、末梢神経系(感覚受容器など)に起因する現象を説明するものです。忘却理論ではなく、感覚生理学の領域です。「中枢説」と対比される用語です。
e. 抑圧説
✅ 正しい。フロイトが提唱した理論で、心理的に葛藤や不安を生じさせる記憶は無意識に抑圧され、意識的には想起できなくなるという説です。臨床場面で重要視されています。
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【試験対策ポイント】
忘却の5大理論:
| 理論名 | 提唱者 | 機序 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 痕跡衰退説 | エビングハウス | 時間経過で記憶痕跡が減衰 | 最古典的 |
| 干渉説 | アンダーウッド | 他の記憶による競合 | 実証的証拠最豊富 |
| 検索失敗説 | トゥルヴィング | 手がかり不足でアクセス不可 | 記憶は消失しない |
| 抑圧説 | フロイト | 心理的防衛機制 | 臨床的重要性 |
| 動機づけ的忘却 | フロイト関連 | 不安・葛藤の無意識排除 | 心理療法の対象 |
紛らわしい用語の区別:
- 「反応剥奪」:学習理論の用語(報酬除去)→忘却ではない
- 「末梢説」:感覚知覚理論の用語 →忘却ではない
- 「中枢説」:末梢説と対比される用語(中枢神経系に起因)