第16回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床神経学第16回
パーキンソン病でのL-ドーパ長期投与に伴う症状でないのはどれか。
a.ジスキネジア
b.痙攣発作
c.小脳失調
d.オンオフ現象
e.すり減り現象 (wearing-off 現象)
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
パーキンソン病のL-ドーパ長期投与による合併症は、運動症状の改善に伴う「運動変動」と「不随意運動」です。痙攣発作と小脳失調はL-ドーパの長期投与の典型的な副作用ではなく、他の原因(脳腫瘍、代謝異常、遺伝性疾患)で生じます。
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【各選択肢の解説】
a. ジスキネジア
✅ 正しい。L-ドーパ長期投与による最も頻繁な合併症で、投与3〜5年で50%以上の患者が経験します。不随意運動(舞踏運動様、アテトーゼ様)であり、「ピークドーズジスキネジア」と「ジストニア」の2型があります。
b. 痙攣発作
❌ 誤り。L-ドーパ長期投与の典型的な副作用ではありません。痙攣発作は脳腫瘍、脳梗塞、代謝異常(低血糖、低カルシウム血症)などで生じ、パーキンソン病とL-ドーパ投与の直接的な関連性はありません。
c. 小脳失調
❌ 誤り。L-ドーパ投与に伴う副作用ではありません。小脳失調は脊髄小脳変性症、多系統萎縮症(MSA-C)、遺伝性疾患などの疾患特有の症状であり、パーキンソン病には本質的に存在しません。
d. オンオフ現象
✅ 正しい。L-ドーパの血液中濃度の急激な変動に伴い、突然に「オン」(症状改善)と「オフ」(症状悪化)が交互に出現する現象です。投与3〜5年で20%前後の患者が経験します。
e. すり減り現象(wearing-off現象)
✅ 正しい。L-ドーパの効果時間が短縮し、投与間隔が進むにつれて薬効の持続時間が短くなる現象です。投与初期は6〜8時間持続していた効果が、やがて3〜4時間に短縮します。
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【試験対策ポイント】
L-ドーパ長期投与の運動合併症
| 合併症 | 発現時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| ジスキネジア | 3〜5年 | 不随意運動(ピークドーズ型・ジストニア型) |
| オンオフ現象 | 3〜5年 | 急激な症状変動(数時間ごと) |
| すり減り現象 | 徐々に進行 | 薬効持続時間の短縮 |
| ジスキネジア関連ジストニア | 後期 | 不動時ジストニア(明け方に足指が丸まる) |
L-ドーパで生じない症状
- 痙攣発作:脳の病変、代謝障害による
- 小脳失調:原発性小脳疾患(遺伝性脊髄小脳変性症など)による
鑑別ポイント
- 本問は「パーキンソン病×L-ドーパ」という「組み合わせ」が問われている
- 痙攣発作と小脳失調はパーキンソン病に非典型的であり、L-ドーパとの因果関係も立証されていない