第16回 言語聴覚士国家試験 第151問
言語聴覚障害総論第16回
正しいのはどれか。
- 1.ブローイング検査は呼気流量を評価する 。
- 2.標準失語症検査(SLTA)は聴く、話す、読む、書く、計算の5側面を評価する。 ✓
- 3.ITPA 言語学習能力診断検査は言語理解と言語表出の2領域を評価する
- 4.聴性行動反応聴力検査(BOA )は音とともに明りのつく玩具の方向を見るかを評価する。
- 5.GRBASは発話明瞭度を評価する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 標準失語症検査(SLTA)は聴く、話す、読む、書く、計算の5側面を評価する。
SLTAは失語症患者の言語機能を包括的に評価する標準検査で、聴く・話す・読む・書く・計算の5つの側面から構成されています。この5領域の評価により、失語症の性質(Broca失語・Wernicke失語など)と重症度を判定できるため、臨床診断と言語リハビリテーション計画に不可欠な検査です。
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【各選択肢の解説】
1. ブローイング検査は呼気流量を評価する
❌ 誤り。ブローイング検査は「呼気量(呼気の持続時間)」を評価する検査です。呼気流量(L/sec単位)ではなく、どの程度の時間呼気を持続できるかを測定し、発声・構音に必要な呼吸支持能力を評価します。呼気流量はピークフローメーターなど別の機器で測定されます。
2. 標準失語症検査(SLTA)は聴く、話す、読む、書く、計算の5側面を評価する
✅ 正しい。SLTAは日本で最も汎用される標準失語症検査であり、聴覚理解・音韻体制・語の産生・復唱・読み・書き・計算という構成で、5つの主要言語領域を体系的に評価します。失語症型の判定に欠かせない検査です。
3. ITPA言語学習能力診断検査は言語理解と言語表出の2領域を評価する
❌ 誤り。ITPAは「言語理解・言語表出」の2領域を主とししながらも、実際には「受容的側面と表出的側面」×「言語的処理と非言語的処理」×「自動的処理と意図的処理」の3次元構造で複数のサブテストから構成されており、単純な2領域評価ではありません。また、対象は主に幼児から学童です。
4. 聴性行動反応聴力検査(BOA)は音とともに明りのつく玩具の方向を見るかを評価する
❌ 誤り。それはVC(視覚強化聴力検査)の説明です。BOAは「音刺激に対する無条件反射的反応(頭の向き、瞬目反応、驚愕反応など)」を観察する生後3~6ヶ月の乳幼児用検査であり、視覚的強化(明るい玩具)を伴いません。VCは6ヶ月以降のより意識的な反応を評価します。
5. GRBASは発話明瞭度を評価する
❌ 誤り。GRBASは「嗄声の重症度評価尺度」で、Grade(全体的重症度)・Roughness(粗さ)・Breathiness(気息性)・Asthenia(弱さ)・Strain(努力性)の5項目から成り立っています。発話明瞭度(一語音の可聴性)ではなく、音声の質的特性を評価する主観的尺度です。
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【試験対策ポイント】
| 検査名 | 対象 | 主な評価項目 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SLTA | 失語症成人 | 聴く・話す・読む・書く・計算(5側面) | 標準失語症検査の代表 |
| ITPA | 幼児~学童 | 言語理解×表出×他要素(複数次元) | 発達性言語障害診断 |
| BOA | 生後3~6ヶ月 | 音への無条件反応(反射) | 視覚強化なし |
| VC | 生後6ヶ月~ | 音+明りつき玩具への反応 | 視覚強化あり |
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