第16回 言語聴覚士国家試験 第153問
言語聴覚障害総論第16回
正しい組み合わせはどれか。
a.絵画語い発達検査 ― 表出語彙
b.ト-クンテスト ― 格助詞の使用
c.ナゾメータ ― 話声位
d.失語症語彙検査 ― 意味カテゴリー特異性
e.耳音響放射 ― 蝸牛機能
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d,e
各検査と測定項目の対応を正確に把握する問題です。ST国試では検査名と測定対象の組み合わせが頻出ですが、紛らわしい選択肢が多いため注意が必要です。
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【各選択肢の解説】
a. 絵画語い発達検査 — 表出語彙
❌ 誤り。絵画語い発達検査は「受容語彙」を測定する検査です。提示された絵を指す(指差す)ことで理解を評価するため、表出語彙ではなく受容語彙が対象です。表出語彙を測定する検査は「日本語表出語彙検査」や「名詞語彙検査」などです。
b. トークンテスト — 格助詞の使用
❌ 誤り。トークンテストは「聴覚的理解」を測定する検査です。「赤い大きい円を青い小さい三角形の上に置く」といった複雑な指示に従うことで理解度を評価します。格助詞の使用を測定する検査ではありません。格助詞の分析には「構文理解・文法性判断」や言語標本分析(MLUなど)が用いられます。
c. ナゾメータ — 話声位
❌ 誤り。ナゾメータは「鼻声度」(鼻腔への気流漏れの割合)を測定する装置で、口腔内圧と鼻腔内圧の比を計測します。話声位(基本周波数)の測定ではありません。話声位はストロボスコピーやマルチメディアボイスアナライザーなどで周波数として測定されます。
d. 失語症語彙検査 — 意味カテゴリー特異性
✅ 正しい。失語症語彙検査(日本失語症検査に含まれる)では、名詞などを「動物」「乗り物」「道具」といった意味カテゴリー別に分類して呈示し、意味カテゴリー特異性(特定のカテゴリーで障害が顕著か否か)を評価します。これにより失語症の特性(例:具体物と抽象語の差など)を詳細に把握できます。
e. 耳音響放射 — 蝸牛機能
✅ 正しい。耳音響放射(OAE:Otoacoustic Emission)は、蝸牛の外有毛細胞が音に反応して発生させる微弱な音圧を測定し、蝸牛機能(特に外有毛細胞の機能)を評価します。新生児聴覚スクリーニングや先天性難聴診断の標準検査で、客観的かつ非侵襲的です。
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【試験対策ポイント】
| 検査名 | 測定対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 絵画語い発達検査 | 受容語彙 | 指差し反応で理解を評価 |
| 日本語表出語彙検査 | 表出語彙 | 対象物の名称を述べさせる |
| トークンテスト | 聴覚的理解&複雑指示理解 | 文法・空間概念含む |
| ナゾメータ | 鼻声度(鼻腔漏出率) | 口腔圧/鼻腔圧比を計測 |
| 話声位測定 | 基本周波数(Hz) | ストロボ、音声分析ソフト使用 |
| 失語症語彙検査 | 意味カテゴリー別の語彙力 | カテゴリー特異性も評価可 |
| 耳音響放射(OAE) | 外有毛細胞機能 | 新生児スクリーニング標準 |
| ABR | 聴神経~脳幹路伝導 | 脳幹機能評価