STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第16問

臨床歯科医学/口腔外科学第16回
口蓋裂の鼻咽腔閉鎖不全に対する手術法でないのはどれか。 a.ファーラー法咽頭弁形成術 b.咽頭弁形成術 c.プッシュバック法 d.輪状咽頭筋切断術 e.ミラード法 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.輪状咽頭筋切断術、e.ミラード法 口蓋裂の鼻咽腔閉鎖不全に対する手術法として、a~dは実際に用いられる標準的な術式ですが、e のミラード法は**鼻翼の形態異常の改善を目的とした形成術**であり、閉鎖不全そのものを改善する術式ではありません。また d の輪状咽頭筋切断術は鼻咽腔閉鎖不全の一般的な治療法ではなく、むしろ他の目的で行われる術式です。 --- 【各選択肢の解説】 a. ファーラー法咽頭弁形成術 ✅ 正しい。咽頭後壁から弁を形成し、軟口蓋を補助する標準的な手術法。特に閉鎖が不十分な場合に選択される。 b. 咽頭弁形成術 ✅ 正しい。咽頭側壁(ラッセル部)から弁を形成して鼻咽腔空間を狭める術式。口蓋裂の鼻咽腔閉鎖不全に対する基本的な治療法の一つ。 c. プッシュバック法 ✅ 正しい。軟口蓋を後方に移動させ、咽頭との距離を減らす術式。口蓋裂の初期治療として広く用いられる。 d. 輪状咽頭筋切断術 ❌ 誤り。この術式は嚥下機能の改善を目的としており、鼻咽腔閉鎖不全の直接的な治療法ではない。口蓋裂の標準術式には含まれない。 e. ミラード法 ❌ 誤り。この術式は口蓋裂に伴う**鼻翼の変形や鼻柱の位置異常を改善する形成術**であり、鼻咽腔の閉鎖機能そのものを改善する術式ではない。口蓋裂の解剖学的修復後に、二次的な鼻形態の改善として施行される。 --- 【試験対策ポイント】 口蓋裂の主要な手術法: | 術式 | 目的 | 対象組織 | |---|---|---| | プッシュバック法 | 軟口蓋を後方へ移動 | 軟口蓋本体 | | 咽頭弁形成術 | 咽頭側壁から弁を形成 | ラッセル部(咽頭側壁) | | ファーラー法 | 咽頭後壁から弁を形成 | 咽頭後壁 | | ミラード法 | 鼻翼・鼻柱の形態改善 | 鼻部(二次的改善) | | 輪状咽頭筋切断術 | 嚥下機能改善 | 輪状咽頭筋(口蓋裂の直接治療ではない) | 重要な区別: - ミラード法は「形成」(aesthetics)。鼻咽腔「閉鎖」(function)ではない - 輪状咽頭筋切断術は嚥下に関連する術式であり、口蓋裂の閉鎖不全対策ではない - 実質的に機能改善に直結する術式:a、b、c の3つ
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