STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第163問

臨床神経学第16回
認知症の訓練で適切でないのはどれか。 a.リアリティ・オリエンテーション(現実見当識訓練) b.メモリーノート使用 c.プリズム順応 d.視覚走査訓練 e.回想法 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c, d 認知症の訓練法は、残存機能の活用と現実への適応を基本とします。プリズム順応と視覚走査訓練は、半側空間無視などの局所的な視空間障害に対する訓練であり、認知症患者の認知機能全般の低下に対する標準的な介入法ではないため適切ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. リアリティ・オリエンテーション(現実見当識訓練) ✅ 正しい。見当識障害に対して、繰り返しの情報提供を通じて時間・場所・人物への適応を改善する認知症の基本訓練です。実施可能で効果が期待できます。 b. メモリーノート使用 ✅ 正しい。記憶障害を補償するための外部記憶装置として機能し、認知症患者の日常生活の自立を支援する実践的で有効な手段です。 c. プリズム順応 ❌ 誤り。半側空間無視の訓練法で、プリズムレンズを使用して視覚入力のずれに適応させる方法です。局所的な神経学的障害を対象とするもので、認知症全般の訓練法ではありません。 d. 視覚走査訓練 ❌ 誤り。半側空間無視や視野欠損に対する訓練で、眼球運動や注意の方向付けを改善するものです。認知症の認知機能低下全般に対する標準的な訓練ではありません。 e. 回想法 ✅ 正しい。過去の思い出や経験を語り合うことで、自尊感情の向上と社会的交流を促進する認知症の心理社会的介入として確立された方法です。 --- 【試験対策ポイント】 認知症の訓練法と非適切訓練法の区別 | 訓練法 | 対象障害 | 認知症での有用性 | |---|---|---| | 現実見当識訓練 | 見当識障害 | ✅ 基本訓練 | | メモリーノート | 記憶障害 | ✅ 補償方法 | | 回想法 | 自尊感情・交流 | ✅ 心理社会的介入 | | プリズム順応 | 半側空間無視 | ❌ 局所脳損傷対象 | | 視覚走査訓練 | 視野欠損・半側無視 | ❌ 局所脳損傷対象 | 重要点:c, dは「局所的な視覚・空間認知障害」に対する訓練であり、認知症の多領域認知機能低下に対する標準的なアプローチではありません。認知症の訓練は見当識や記憶の補償、心理社会的サポートに焦点を当てることが特徴です。
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