第16回 言語聴覚士国家試験 第165問
言語発達障害学第16回
境界知能の学童について誤っているのはどれか。
- 1.IQ は 71 以上である。
- 2.DSM-IV-TR では「臨床的関与の対象となることのある他の状態」に含まれる。
- 3.広汎性発達障害を伴うと総合的な適応性が低くなる。
- 4.特別支援学級対象である 。 ✓
- 5.自己評価が低い児が多い。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 特別支援学級対象である。
境界知能の学童は「知的障害」の診断基準を満たさない(IQ71以上であるため)ため、特別支援学級の対象にはなりません。通常学級での学習支援や教育的配慮が必要ですが、法的には特別支援学級の設置対象ではなく、通常学級内での個別支援が基本となります。
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【各選択肢の解説】
1. IQは71以上である。
✅ 正しい。境界知能の定義は、IQ71~84の範囲を指します。IQ70以下は知的障害、IQ85以上は平均的範囲であり、この71~84が境界知能です。
2. DSM-IV-TRでは「臨床的関与の対象となることのある他の状態」に含まれる。
✅ 正しい。DSM-IV-TRではV軸に「臨床的関与の対象となることのある他の状態」という診断カテゴリーが設けられており、境界知能はここに分類されます。
3. 広汎性発達障害を伴うと総合的な適応性が低くなる。
✅ 正しい。境界知能に加えて広汎性発達障害の特性(社会的相互作用の困難、コミュニケーション障害)が重なると、学習面だけでなく対人関係や生活適応面で著しく困難になります。
4. 特別支援学級対象である。
❌ 誤り。知的障害(IQ70以下)が特別支援学級設置の法的対象であり、境界知能(IQ71~84)は「知的障害」診断を受けないため、原則として通常学級に在籍します。ただし通常学級内での個別支援は必要です。
5. 自己評価が低い児が多い。
✅ 正しい。境界知能の児童は学力が低いという明らかな困難を自覚しながらも、診断を受けていないことが多く、自分が「なぜできないのか」を理解できず、自己肯定感や自己評価が低い傾向にあります。
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【試験対策ポイント】
| 概念 | IQ範囲 | 診断 | 支援体制 |
|---|---|---|---|
| 知的障害 | 70以下 | 精神遅滞 | 特別支援学級対象 |
| **境界知能** | **71~84** | **臨床的関与対象** | **通常学級+個別支援** |
| 平均的範囲 | 85~115 | 診断なし | 特別支援不要 |
キーワード:
- 境界知能は「知的障害ではない」が「発達障害を伴うと困難が顕在化」
- 自己評価低下は「診断による説明の欠如」が原因
- 法的には特別支援学級対象ではなく、教育委員会の「個別配慮」対象