STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第170問

言語発達障害学第16回
アスペルガ- 障害の幼児期の指導で適切でないのはどれか。
  1. 1.モデルとなる人から学ぶ習慣を作る 。
  2. 2.小グループ指導でルールを守ることを教える。
  3. 3.玩具の借り方(「貸して」と言う)を具体的に教える。
  4. 4.勝ち負けへのこだわりを利用して学習を進める 。 ✓
  5. 5.鉄道や恐竜などへのこだわりを趣味へと発展させる。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 勝ち負けへのこだわりを利用して学習を進める。 アスペルガー障害児の指導では、強いこだわりやルール志向性を「治療的に活用する」ことは有効ですが、勝ち負けへのこだわりを直接利用して学習を進めると、競争による不適応(負けたときのパニック、ルール違反への固執)が生じやすくなります。むしろこだわりを段階的に軽減し、柔軟な思考を育てることが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. モデルとなる人から学ぶ習慣を作る。 ✅ 正しい。アスペルガー障害児は視覚的・観察的学習が得意であり、成人や友人のモデル行動を見ることで社会的スキルを習得しやすい。行動モデリングは効果的な指導手法です。 2. 小グループ指導でルールを守ることを教える。 ✅ 正しい。アスペルガー障害児はルール志向性が強いため、小グループという構造化された環境でルール遵守を教えることは有効。集団の中での行動調整スキルの発達につながります。 3. 玩具の借り方(「貸して」と言う)を具体的に教える。 ✅ 正しい。社会的コミュニケーションの弱さが特徴であるため、定型的なやり取り(借り方の言語化)を直接教える直接教授法は効果的です。スクリプト的に学習できます。 4. 勝ち負けへのこだわりを利用して学習を進める。 ❌ 誤り。勝ち負けへの執着を利用すると、負けた際のパニック、ルール融通性の欠如、競争意識の固執化などが強化される危険があります。むしろこだわりを緩和し「プロセス重視」へ段階的に移行させるべきです。 5. 鉄道や恐竜などへのこだわりを趣味へと発展させる。 ✅ 正しい。限定的で執着的な興味は、社会的参加や学習意欲を高めるリソースとして活用できます。「鉄道の勉強を通じて文字学習」など、こだわりを建設的に活用することは推奨される指導法です。 --- 【試験対策ポイント】 アスペルガー障害の特徴と指導の是非 | 特徴 | 活用できる指導 | 避けるべき指導 | |---|---|---| | ルール志向性が強い | 小グループでルール教育 | ルールの例外や柔軟性を無視 | | 限定的な興味関心(こだわり) | 趣味を学習や社会参加に発展 | こだわりを強化・深化させるだけ | | 視覚的・観察的学習が得意 | モデリング、視覚支援 | 言語のみの抽象的指導 | | 社会的コミュニケーション困難 | 定型的表現を直接明示教授 | 暗黙的なやり取り期待 | | 勝ち負けへのこだわりやすさ | 避けるべき(不適応強化) | — | キーワード:「こだわりの活用」「競争回避」「段階的緩和」
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