第16回 言語聴覚士国家試験 第172問
言語発達障害学第16回
言語発達障害児の保護者支援で適切でないのはどれか 。
- 1.障害受容を待って言語訓練を開始する。 ✓
- 2.保護者教室を開催する 。
- 3.福祉サービスについて説明する。
- 4.参考になる書籍を紹介する。
- 5.サポートブックの作成を提案する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 障害受容を待って言語訓練を開始する。
言語発達障害児の支援では、保護者の障害受容状況に関わらず「早期介入」を優先すべきです。障害受容は時間がかかるプロセスであり、受容を完了するまで訓練を遅延させることは発達の黄金期を失わせ、予後を悪化させます。保護者支援と訓練開始は並行して進めるべきです。
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【各選択肢の解説】
1. 障害受容を待って言語訓練を開始する。
❌ 誤り。言語発達障害は早期介入が極めて重要であり、受容完了まで待機することは児童にとって不利益です。保護者の心理的段階(ショック→否認→怒り→抑うつ→受容)と並行して、訓練は開始すべきです。受容を促進しながら訓練を進める支援が適切です。
2. 保護者教室を開催する。
✅ 正しい。保護者教室は言語発達や障害について学び、家庭での関わり方を習得する重要な支援です。親子相互作用を改善し、訓練効果を高めます。親同士のピアサポートにもなります。
3. 福祉サービスについて説明する。
✅ 正しい。児童発達支援、療育手帳、障害者手帳、特別支援教育など、利用可能なサービスを説明することは実務的な保護者支援です。生活基盤の構築に必要です。
4. 参考になる書籍を紹介する。
✅ 正しい。障害理解や支援方法に関する専門書の紹介は、保護者の知識習得と心理的安定につながります。自主学習を促進する有効な支援です。
5. サポートブックの作成を提案する。
✅ 正しい。サポートブック(支援手帳)は児童の特性・支援方法を関係機関に共有し、一貫した支援を実現します。保護者のエンパワーメント(主体性向上)にも効果的です。
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【試験対策ポイント】
保護者支援の6つの柱:
| 支援内容 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 情報提供 | 知識習得 | 書籍紹介・保護者教室 |
| 福祉制度紹介 | 生活基盤構築 | サービス説明・手帳取得 |
| 相談・傾聴 | 心理的安定 | カウンセリング |
| 訓練技法指導 | 実践力向上 | 親子相互作用改善 |
| 記録ツール提供 | 支援共有 | サポートブック作成 |
| 訓練開始 | 発達促進 | 早期介入(受容と並行) |
早期介入の重要性(発達神経可塑性):
- 0~3歳:脳の神経回路形成が最速
- 訓練開始時期が早いほど予後が良好
- 受容完了を待つことは児童の不利益
負の選択肢パターン:
「〇〇を待つ」「〇〇まで延期する」という選択肢は発達支援では誤りになりやすい