第16回 言語聴覚士国家試験 第177問
機能性構音障害第16回
単語呼称によ る構音検査の評価項目として誤っているのはどれか。
a.誤り音
b.誤り方
c.適応性
d.被刺激性
e.一貫性
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
単語呼称による構音検査の評価項目は、誤り音・誤り方・被刺激性・一貫性の4つです。「適応性」と「被刺激性」は評価項目ではなく、「適応性」は音声言語医学の別の文脈で用いられ、「被刺激性」は行動学的な評価概念ではありません。正答は「適応性」「被刺激性」を含む選択肢です。
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【各選択肢の解説】
a. 誤り音
✅ 正しい。音韻的誤りの内容(置換・省略・歪み・付加)を分析します。どの音がどう誤るかを記録することは構音検査の基本です。
b. 誤り方
✅ 正しい。同じ音でも一貫して誤るか、随意的に変えられるか、呼称時と自動会話時で異なるかなどの「誤り方のパターン」は機能性構音障害の診断に重要です。
c. 適応性
❌ 誤り。「適応性」は構音検査の標準的評価項目ではありません。むしろ「一貫性」(同じ音が常に同じように誤るか)と「被刺激性」(刺激を与えると改善するか)が評価されます。
d. 被刺激性
❌ 誤り。「被刺激性」という用語は構音検査では使用されません。正しくは「刺激可能性」(cuability/stimulability)で、治療的刺激により音が改善するかどうかを評価する項目です。
e. 一貫性
✅ 正しい。同じ音が異なる語位置で一貫して同じように誤るか、あるいは可変的に誤るかは、機能性か器質性かの鑑別に重要です。
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【試験対策ポイント】
構音検査の評価項目(4つ):
| 項目 | 内容 | 臨床的意味 |
|---|---|---|
| 誤り音 | どの音が誤るか | 音韻体系の把握 |
| 誤り方 | 置換・省略・歪み・付加 | 誤りのタイプ分類 |
| 一貫性 | 同じ音が常に同じ誤り方か | 機能性の指標 |
| 刺激可能性 | 刺激で改善するか | 改善可能性の予測 |
紛らわしい用語の整理:
- 「被刺激性」→「刺激可能性」に修正(検査項目として正式には後者)
- 「適応性」→学習理論等で使われる用語だが、単語呼称検査には不要
- 「反応性」「可塑性」との混同に注意
機能性構音障害の診断ポイント:
- 一貫性が低い(可変的)→機能性の可能性が高い
- 一貫性が高い(常に同じ誤り)→器質的問題の可能性
- 刺激可能性が高い→治療可能性が高い