STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第181問

運動障害性構音障害第16回
失調性構音障害をきたすのはどれか 。
  1. 1.筋萎縮性側索硬化症
  2. 2.重症筋無力症
  3. 3.ジストニア
  4. 4.脊髄小脳変性症 ✓
  5. 5.筋緊張性ジストロフィー

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 脊髄小脳変性症 脊髄小脳変性症は小脳の変性を伴う疾患であり、小脳障害による失調性構音障害をきたします。失調性構音障害の特徴は断綴性発話(スキャニングスピーチ)やリズムの乱れであり、小脳の運動協調機能障害に起因します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS) ❌ 誤り。ALSは上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が障害される混合型の運動ニューロン疾患であり、弛緩性と痙性の特徴を併せ持つ混合性構音障害をきたします。失調性ではありません。 2. 重症筋無力症 ❌ 誤り。自己免疫疾患で神経筋接合部のアセチルコリン受容体が攻撃される疾患であり、弛緩性構音障害(開鼻声・気息性嗄声)をきたします。小脳機能障害がないため失調性構音障害は出現しません。 3. ジストニア ❌ 誤り。基底核の障害による不随意運動疾患であり、運動低下性構音障害に分類されます。筋緊張の異常亢進が特徴ですが、失調性構音障害ではありません。 4. 脊髄小脳変性症 ✅ 正しい。小脳の神経変性により小脳性失調が生じ、典型的な失調性構音障害(断綴性発話・スキャニングスピーチ・リズム異常)をきたします。これはMayo分類の運動障害性構音障害の5分類の1つです。 5. 筋緊張性ジストロフィー ❌ 誤り。筋ジストロフィーの一種で筋力低下をきたす疾患であり、弛緩性構音障害をきたします。小脳機能の一次的障害がないため失調性構音障害は出現しません。 --- 【試験対策ポイント】 Mayo分類:運動障害性構音障害5分類 | 構音障害型 | 障害部位 | 代表疾患 | 音声特徴 | |---|---|---|---| | 痙性 | 両側錐体路 | 脳卒中(両側)、脳性麻痺、偽性球麻痺 | 努力性嗄声、硬い音 | | 弛緩性 | 下位運動ニューロン | ALS、球麻痺、筋無力症 | 開鼻声、気息性嗄声 | | **失調性** | **小脳** | **脊髄小脇変性症、小脳梗塞** | **断綴性、スキャニング** | | 運動低下性 | 基底核 | パーキンソン病、ジストニア | 単調、加速現象 | | 混合性 | 複数部位 | ALS(初期)、多発性硬化症 | 多様な異常 | 各疾患の構音障害の型 - 筋萎縮性側索硬化症:混合性(ALS) - 重症筋無力症:弛緩性 - ジストニア:運動低下性 - 脊髄小脳変性症:失調性 ← 本問の答え - 筋緊張性ジストロフィー:弛緩性 失調性構音障害の臨床特徴 - 断綴性発話(syllable-by-syllable speech) - スキャニングスピーチ(音を引き延ばす) - リズム異常・抑揚障害 - 不正確な音韻化
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