第16回 言語聴覚士国家試験 第183問
運動障害性構音障害第16回
誤っている組合せはどれか 。
- 1.弛緩性構音障害--筋力強化訓練
- 2.痙性構音障害--ストレッチ運動
- 3.失調性構音障害--発話速度の上昇訓練 ✓
- 4.運動低下性構音障害--努力性の発声・ 発話訓練
- 5.運動過多性構音障害--代償的発話ストラテジ-の習得
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 失調性構音障害--発話速度の上昇訓練
失調性構音障害では、小脳障害により運動の協調性が失われて断綴性発話(スキャニングスピーチ)が生じます。訓練の原則は「発話速度を低下させ、ゆっくり明確に」することですが、選択肢3は逆に「発話速度の上昇訓練」としており、治療原則に反しています。
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【各選択肢の解説】
1. 弛緩性構音障害--筋力強化訓練
✅ 正しい。弛緩性構音障害は下位運動ニューロン障害(球麻痺)で、咀嚼筋・唇・舌などの筋力低下が原因です。筋力強化訓練は標準的な訓練方法です。
2. 痙性構音障害--ストレッチ運動
✅ 正しい。痙性構音障害は両側錐体路障害(偽性球麻痺)で、筋の過度な緊張が特徴です。ストレッチ運動で筋の過緊張を緩和し、可動域を改善することは適切な訓練です。
3. 失調性構音障害--発話速度の上昇訓練
❌ 誤り。失調性構音障害は小脳病変により協調性が障害され、断綴性・不規則な発話となります。訓練の原則は「発話速度の低下」であり、速度を上昇させると症状はさらに悪化します。
4. 運動低下性構音障害--努力性の発声・発話訓練
✅ 正しい。運動低下性構音障害はパーキンソン病など錐体外路系障害で、低音量・単調が特徴です。努力性の発声・発話訓練(Leeの恒常法など)により音量・韻律改善が期待できます。
5. 運動過多性構音障害--代償的発話ストラテジーの習得
✅ 正しい。運動過多性構音障害は不随意運動により速度制御が困難です。発話速度低下、呼吸パターンの調整など代償的ストラテジーの習得が訓練方針となります。
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【試験対策ポイント】
訓練方法と障害タイプの対応(Mayo分類)
| 障害タイプ | 原因 | 特徴 | 訓練方針 |
|---|---|---|---|
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 開鼻声・気息性嗄声 | 筋力強化・口腔運動 |
| 痙性 | 両側錐体路 | 努力性嗄声・硬い音 | ストレッチ・リラクセーション |
| 失調性 | 小脳 | 断綴性発話(スキャニング) | 発話速度低下・リズム訓練 |
| 運動低下性 | 錐体外路 | 低音量・単調 | 努力性訓練・Lee恒常法 |
| 運動過多性 | 錐体外路(不随意運動) | 変動性・乱雑 | 代償的ストラテジー |
| 混合性 | ALS(複数領域) | 複合症状 | 各障害に応じた組み合わせ |
**失調性構音障害の関連否定知識**
- 発話速度上昇×(悪化させる)
- 同期化訓練(他の訓練と異なり、協調性回復の特異的訓練)