STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第187問

嚥下障害第16回
嚥下障害における栄養管理について正しいのはどれか 。 a.経口摂取を中止するだけでは嚥下性肺炎を防止できない。 b.経口摂取が不可能であれば早期に胃痩を造設する。 c.経鼻経管栄養チューブは胃痩に比べて長期管理に適している 。 d.中心静脈栄養では微量元素は補給できない。 e.経管栄養ではチューブ先端の位置確認が重要である。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 嚥下障害患者の栄養管理では、誤嚥防止だけでなく栄養確保と安全性が重要です。経口摂取中止後も誤嚥性肺炎のリスク管理が必要であり、経管栄養ではチューブ位置確認が安全管理の第一歩となります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 経口摂取を中止するだけでは嚥下性肺炎を防止できない。 ✅ 正しい。経口摂取を中止しても、唾液や胃内容物の逆流による誤嚥は続く可能性があります。体位変換、口腔衛生管理、肺理学療法など多角的なアプローチが必要です。 b. 経口摂取が不可能であれば早期に胃痩を造設する。 ❌ 誤り。胃痩造設には「造設時期」の判断が重要で、一定期間(目安2~3週間)様子をみて、嚥下機能改善の見込みがない場合に検討します。「不可能であれば即座に造設」ではなく段階的判断が必要です。 c. 経鼻経管栄養チューブは胃痩に比べて長期管理に適している。 ❌ 誤り。むしろ逆です。経鼻経管栄養は短期(2~4週間程度)向けで、鼻腔損傷・副鼻腔炎・咽頭違和感などの合併症があり、長期管理には胃痩造設が適しています。 d. 中心静脈栄養では微量元素は補給できない。 ❌ 誤り。中心静脈栄養(TPN)では亜鉛・銅・マンガン・セレンなどの微量元素を含む栄養液を投与でき、むしろ長期投与時は微量元素補給が必須です。 e. 経管栄養ではチューブ先端の位置確認が重要である。 ✅ 正しい。胃内への挿入確認は「必須安全項目」です。X線撮影、pH測定、聴診法などで位置確認を行い、肺への誤挿入や食道留置を防ぎます。特に経鼻経管は誤挿入リスクが高いため重要です。 --- 【試験対策ポイント】 嚥下障害患者の栄養管理・栄養ルート選択 | 栄養ルート | 適応期間 | 利点 | 欠点・注意点 | |---|---|---|---| | 経口摂取 | 食形対応で最長 | QOL高い・嚥下機能刺激 | 誤嚥リスク管理必須 | | 経鼻経管 | 短期2~4週間 | 非侵襲的・造設不要 | 鼻腔損傷・咽頭違和感・長期不適 | | 胃痩造設 | 中~長期(数ヶ月~) | 安全性・QOL・長期管理適 | 造設手術・交換時腹膜炎リスク | | 中心静脈栄養 | 長期・他ルート不可時 | 高カロリー・微量元素補給可 | 感染・血栓・カテーテル損傷リスク | 誤嚥性肺炎防止の多層戦略 - 経口摂取中止+体位管理(30°以上挙上) - 口腔衛生管理(口腔ケア) - 肺理学療法・呼吸リハビリ - 嚥下機能訓練(改善の見込みある場合) 経管栄養の安全管理チェックリスト - チューブ先端位置確認(X線撮影推奨) - 経鼻経管:鼻腔の損傷チェック - 定
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