STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第189問

聴力検査第16回
片耳ずつ聴覚閥値を測定できないのはどれか。 a.遊戯聴力検査 b.視覚強化式聴力検査 (VRA) c.聴性定常反応検査 (ASSR) d.聴性行動反応聴力検査 (BOA) e.耳音響放射 (OAE) 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.聴性行動反応聴力検査(BOA)、e.耳音響放射(OAE) BOAは両耳の全般的な反応を観察する検査であり、両耳同時刺激が基本となるため片耳ずつの閾値測定ができません。OAEは外有毛細胞の機能を検出する検査で、聴覚の有無は判定できますが、両耳から同時に反応が得られるため閾値の側性判定ができません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 遊戯聴力検査 ✅ 片耳ずつ測定できます。ヘッドフォンやスピーカーで片耳に音刺激を与え、幼児が音に反応して遊戯的行動(ペグ挿入など)を示すことで閾値を決定します。3~4歳以上の幼児に適用できる標準的検査です。 b. 視覚強化式聴力検査(VRA) ✅ 片耳ずつ測定できます。音刺激に対して反応した直後に視覚的報酬(アニメ表示)を与える条件付け手法で、6ヶ月~3歳の乳幼児に用いられます。ヘッドフォンで片耳刺激が可能です。 c. 聴性定常反応検査(ASSR) ✅ 片耳ずつ測定できます。変調された周波数特異的な音刺激を各耳に与え、脳幹レベルの周期的応答を検出する客観的検査です。両耳異なる周波数で同時刺激し、各耳の応答を分別できます。 d. 聴性行動反応聴力検査(BOA) ❌ 片耳ずつ測定できません。生後0~6ヶ月の乳幼児に対して両耳への音刺激に対する行動反応(瞳孔散大、眼球運動、泣き止み、四肢の動き)を観察する検査で、両耳同時刺激が原則です。側性判定不可能です。 e. 耳音響放射(OAE) ❌ 片耳ずつ測定できません。外有毛細胞の機能を検査するもので、両耳ともに検査プローブを挿入して測定するため、片耳の閾値低下を判定できません。また聴覚の有無(聴力スクリーニング)判定であり、聴覚閾値そのものを測定する検査ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 乳幼児聴力検査の選別表: | 検査名 | 対象月齢 | 片耳測定 | 測定原理 | |---|---|---|---| | BOA | 0~6ヶ月 | ❌ 両耳同時 | 行動反応(観察的) | | VRA | 6ヶ月~3歳 | ✅ 片耳可能 | 条件付け反応+視覚報酬 | | 遊戯聴力 | 3~4歳以上 | ✅ 片耳可能 | 遊戯的行動反応 | | ASSR | 全年齢 | ✅ 片耳可能 | 客観的応答(脳幹) | | OAE | スクリーニング | ❌ 両耳測定 | 外有毛細胞機能(閾値測定なし) | 重要な否定知識: - OAEは「聴力測定」ではなく「聴力スクリーニング」→正常OAE=正常聴力ではない - BOAは「定性的判定」で「定量的閾値」は得られない - ASSRとVRAは「客観的/主観的」の違いがあるが、どちらも片耳測定可能
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