STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第190問

小児聴覚障害第16回
4 歳中等度感音難聴児で、主訴はことばの遅れ。現在、多語文で日常的会話可能。言語指導で優先順位が低いのはどれか 。
  1. 1.音韻分解 ✓
  2. 2.語嚢拡大
  3. 3.ナラティブ
  4. 4.5W1Hによる会話
  5. 5.重文の産生

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 音韻分解 4歳の中等度感音難聴児が既に「多語文で日常的会話可能」という発達段階にあるため、音韻分解(音をより細かく分析する訓練)は優先順位が低い。むしろこの段階では、語彙不足の補完、文法構造の複雑化、談話レベルのスキルが急務である。 --- 【各選択肢の解説】 1. 音韻分解 ❌ 誤り(正答)。音韻分解は音声の知覚・弁別の基礎段階であり、既に「多語文会話が可能」な児童には優先度が低い。むしろ初期段階(語音の聞き分けができていない時期)に必要な訓練である。 2. 語嚢拡大 ✅ 正しい。感音難聴児は入力語彙が制限されやすく、同年代より語彙数が少ない傾向にある。多語文表出できる段階でも語彙内容の質的充実は重要な課題である。 3. ナラティブ ✅ 正しい。4歳は物語や経験を順序立てて述べる力が発達する時期。感音難聴児は文脈を読み取る力が弱い傾向があり、ナラティブスキルの指導は学習準備への重要な段階である。 4. 5W1Hによる会話 ✅ 正しい。5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)は文法構造と思考の組織化に関わり、会話の質的向上と学習言語への橋渡しに不可欠である。 5. 重文の産生 ✅ 正しい。複文・重文は4~5歳で発達する文法構造。感音難聴児は文法発達が遅れやすいため、この段階での重文産生の指導は優先度が高い。 --- 【試験対策ポイント】 4歳感音難聴児の言語発達段階と指導優先順位: | 発達段階 | 優先度の高い指導内容 | 優先度が低い段階 | |---|---|---| | 初期(1~2歳相当)| 音韻弁別・初語促進・単語認識 | ナラティブ・複文 | | 中期(2~3歳相当)| 語彙拡大・2語文・簡単な文法 | 5W1H・重文 | | **後期(3~4歳相当)** | **ナラティブ・5W1H・重文・複文** | **音韻分解** | キーワード: - 音韻分解→音声知覚の基礎段階の訓練 - 多語文会話可能→既に基礎段階を超えている証 - 優先順位が低い=「より初期の段階の指導」が該当 - 感音難聴児の遅れ=語彙・文法・談話理解にあり、音の弁別ではない
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