第16回 言語聴覚士国家試験 第197問
補聴器・人工内耳第16回
標準人体模型(成人)による裸耳利得がピ-クを示す周波数に最も近いのはどれか。
- 1.500 Hz
- 2.1,000 Hz
- 3.2,000 Hz ✓
- 4.4,000 Hz
- 5.6,000 Hz
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 2,000 Hz
裸耳利得(External Ear Canal Gain:EACG)は外耳道の共鳴によって生じる音圧増幅です。成人標準人体模型では、外耳道の固有振動数により2,000 Hz付近でピークを示します。この周波数での増幅量は約10~15 dBであり、補聴器フィッティングやイヤホンの設計に重要な基準になります。
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【各選択肢の解説】
1. 500 Hz
❌ 誤り。500 Hzは低周波域であり、外耳道共鳴のピークより低い周波数です。裸耳利得は500 Hzでは増幅効果が小さく、ピークを示しません。
2. 1,000 Hz
❌ 誤り。1,000 Hzはピーク周波数に近い領域ですが、成人の外耳道共鳴は1,000 Hzより高周波側にピークを持ちます。幼児では1,000 Hz付近がピークになることもありますが、成人ではより高周波にシフトします。
3. 2,000 Hz
✅ 正しい。成人標準人体模型における外耳道の固有共鳴周波数はおよそ2,000~2,500 Hz(一般的には2,000 Hz)です。この周波数で外耳道の長さ(約2.5 cm)による四分波長共鳴が生じ、最大の音圧増幅が起こります。
4. 4,000 Hz
❌ 誤り。4,000 Hzは高周波域で、裸耳利得のピークを超えた領域です。この周波数では増幅効果が減少し始めます。
5. 6,000 Hz
❌ 誤り。6,000 Hzはさらに高周波であり、ピークから大きく離れた領域です。この周波数での裸耳利得は著しく減少しています。
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【試験対策ポイント】
外耳道の音響特性と年齢差
| 項目 | 成人 | 幼児 |
|---|---|---|
| 外耳道長 | 約2.5 cm | 約1.3 cm |
| 共鳴周波数 | 2,000~2,500 Hz | 4,000~5,000 Hz |
| ピーク増幅量 | 約10~15 dB | 約20~25 dB |
重要知識
• 外耳道共鳴:外耳道は一端閉鎖の音響共鳴器として機能
• 四分波長共鳴:周波数=音速÷(4×外耳道長)で計算
• 補聴器の利得目標設定時に裸耳利得を減算する必要がある
• 「補聴器の自然性向上」には、この2,000 Hzピークを補聴器利得に反映させることが重要
紛らわしいポイント
成人と幼児の外耳道長が異なるため、共鳴周波数が大きく異なる(成人は2,000 Hz、幼児は4,000~5,000 Hz)。国試では「成人」「小児」の明記に注意すること。