第16回 言語聴覚士国家試験 第198問
補聴器・人工内耳第16回
補聴器適合検査に用いないのはどれか。
- 1.音場での語音明瞭度曲線の測定
- 2.実耳裸耳利得の測定
- 3.補聴器周波数特性の測定
- 4.両耳間移行減衰量の測定 ✓
- 5.実耳挿入利得の測定
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 両耳間移行減衰量の測定
補聴器適合検査は、装用効果を検証するため「補聴器を装用した状態での聴覚機能」を評価するプロセスです。両耳間移行減衰量は、骨導音が頭部を通じてどの程度減衰するかを測定する項目で、補聴器適合検査(フィッティング評価)ではなく、聴力検査における「マスキング必要性の判断」に用いられます。補聴器適合検査の中核は、装用前後の聴覚改善を数値化することであり、両耳間移行減衰量の測定はこのプロセスに含まれません。
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【各選択肢の解説】
1. 音場での語音明瞭度曲線の測定
✅ 正しい。補聴器装用時に、異なる入力音圧レベルで語音明瞭度がどう変化するかを測定します。補聴器の有効性評価の最重要項目で、適合検査の最終段階で必須です。
2. 実耳裸耳利得の測定
✅ 正しい。装用前の裸耳状態で、外耳道入口での音圧と鼓膜部の音圧差を測定します。これが基準となり、補聴器装用後の改善を判定する際の比較対象になります。
3. 補聴器周波数特性の測定
✅ 正しい。補聴器の利得が周波数ごとにどう変わるかを測定し、患者の聴力型に適切にマッチしているか確認します。クプラム測定器やカプラ法で行われます。
4. 両耳間移行減衰量の測定
❌ 誤り。これは「補聴器の有効性評価」ではなく、「聴力検査時のマスキング必要性判断」に用いられます。骨導時に一側の刺激音が他側に漏れ込む現象を定量化するもので、補聴器適合検査には含まれません。
5. 実耳挿入利得の測定
✅ 正しい。補聴器装用時に、外耳道入口での音圧と鼓膜部の音圧差から得られる利得を測定します。実耳裸耳利得との差が補聴器による改善量となり、適合検査の中核項目です。
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【試験対策ポイント】
補聴器適合検査に含まれる項目:
| 項目 | 測定内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 実耳裸耳利得 | 補聴器装用前の外耳道増幅特性 | 基準値の取得 |
| 実耳挿入利得 | 補聴器装用時の増幅特性 | 実際の補聴器効果測定 |
| 周波数特性 | 周波数別の利得分布 | 聴力型への適合度確認 |
| 音場語音明瞭度 | 装用時の音声理解能 | 最終的な有効性判定 |
適合検査に含まれない項目:
| 項目 | 用途 | 理由 |
|---|---|---|
| 両耳間移行減衰量 | マスキング必要性判定 | 補聴器効果測定ではなく聴力検査補助 |
キーワード:
- 実耳測定=補聴器適合検査の最重要
- 音場語音明瞭度=最終評価(音声理解能)
- 両耳間移行減衰量=聴力検査の範疇(補聴器フィッティングと無関係)