第16回 言語聴覚士国家試験 第199問
補聴器・人工内耳第16回
人工内耳のプログラミング(マッピング)で用いないのはどれか。
- 1.神経反応テレメ トリ (NRT)
- 2.IT-MAIS
- 3.聴覚闇値 ✓
- 4.精神物理学的手法
- 5.ラウドネスチャート
正答:3番
解説
# 第16回 第199問 解説
■ 正答:3番 — 聴覚閾値
人工内耳のマッピングでは、電極ごとの電気刺激に対する「Tレベル(最小可聴閾値)」や「Cレベル(快適レベル)」を設定しますが、これは純音聴力検査でいう**気導・骨導の聴覚閾値**とは異なる概念です。通常の聴覚閾値(dB HL)はマッピングのパラメータ設定には直接用いられません。
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【各選択肢の解説】
1. 神経反応テレメトリ (NRT)
✅ 用いる。電極への電気刺激に対する聴神経の複合活動電位(ECAP)を客観的に記録する手法で、特に乳幼児など行動応答が得られない症例のT/Cレベル推定に活用されます。
2. IT-MAIS
✅ 用いる。IT-MAIS(Infant-Toddler Meaningful Auditory Integration Scale)は乳幼児の日常聴取行動を養育者が評価する尺度で、マッピング後の聴取状況のフィードバックとしてマップ調整の参考情報になります(装用効果評価と同時にマッピングの妥当性判断に利用される)。
3. 聴覚閾値
❌ 用いない。純音聴力検査で測定する聴覚閾値(dB HL)は、人工内耳の電気刺激パラメータ(電流量:μAやCL値)とは単位も意味も異なり、マッピングには直接使用されません。マッピングで用いるのは電気的な**Tレベル・Cレベル**です。
4. 精神物理学的手法
✅ 用いる。受者が「聞こえた/聞こえない」「ちょうどよい/うるさい」と応答することで、各電極のTレベル・Cレベルを決定する行動的検査法で、マッピングの基本手法です。
5. ラウドネスチャート
✅ 用いる。各電極での音の大きさの感覚を「聞こえない〜うるさすぎる」の段階で評価し、Cレベル設定やラウドネスバランス調整に用いる必須ツールです。
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【試験対策ポイント】
【人工内耳マッピングで用いる手法】
- **Tレベル(閾値レベル)**:刺激を感じ始める最小電流量
- **Cレベル(快適レベル/Mレベル)**:最も快適に聞こえる電流量
- **NRT/ECAP**:客観的な神経応答測定(小児で特に有用)
- **精神物理学的手法**:行動応答による主観的測定
- **ラウドネスチャート**:音の大きさ感覚の段階評価
- **IT-MAIS等の装用評価**:マップ調整の参考情報
【重要な区別】
- 「聴覚閾値(dB HL)」=純音聴力検査の結果 → マッピングには**使わない**
- 「Tレベル(電気刺激閾値)」=電極ごとの電流値 → マッピングで**使う**
両者を混同しやすいため、「人工内耳は電気刺激なので単位は電流量(CL値)であり、音圧レベル(dB HL)ではない」ことを押さえておくと解きやすくなります。