第16回 言語聴覚士国家試験 第22問
聴力検査第16回
標準純音聴力検査で正しいのはどれか。
- 1.16Hzから20, 000 Hzまでの聴力レベルを測定する。
- 2.30dB HLより小さい音が聞こえれば聴力は正常である。
- 3.10dBステップで聴力レベルを測定する。
- 4.気導聴力検査では断続音は使わない。
- 5.骨導聴力検査ではマスキングが必要である。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 骨導聴力検査ではマスキングが必要である。
骨導聴力検査では、頭部の振動が両耳に伝わるため、どちらの耳から聞こえているのかを識別できません。そのため、一側の骨導音を測定する際には、対側耳をマスキング音でマスクして、測定している側の耳の聴力のみを測定する必要があります。これは気導検査では通常不要な重要な手順です。
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【各選択肢の解説】
1. 16Hzから20,000Hzまでの聴力レベルを測定する。
❌ 誤り。標準純音聴力検査では125Hz~8,000Hz(通常は8,000Hzまで。時に16,000Hzまで拡張)の範囲で測定します。16Hzは測定周波数の下限に含まれません。また、最高周波数も20,000Hzではなく8,000Hz程度が標準です。
2. 30dB HLより小さい音が聞こえれば聴力は正常である。
❌ 誤り。標準純音聴力検査の正常値は「0dB HL~20dB HL程度」です。30dB HL未満ではなく「20dB HL程度以下」が正常範囲の判断基準となります。30dB HLは既に軽度難聴の範囲です。
3. 10dBステップで聴力レベルを測定する。
❌ 誤り。標準純音聴力検査では「5dBステップ」で測定するのが原則です。5dBステップにより、より精密な聴力測定が可能になります。10dBステップでは精度が低下します。
4. 気導聴力検査では断続音は使わない。
❌ 誤り。気導聴力検査では「断続音(パルス音)」が使用されます。持続音ではなく断続音を使うことで、被検者の注意集中を保ち、より正確な応答を得ることができます。
5. 骨導聴力検査ではマスキングが必要である。
✅ 正しい。骨導音は両耳に伝わる性質があるため、対側耳をマスキング音で遮蔽する必要があります。これにより、測定している側の耳の真の聴力を測定できます。マスキングなしでは、より聴力が良い方の耳の音が聞こえてしまい、検査結果が正確ではなくなります。
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【試験対策ポイント】
標準純音聴力検査の基本パラメータ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 周波数範囲 | 125Hz~8,000Hz(時に16,000Hz) |
| 測定ステップ | 5dB |
| 聴力レベル | 0~20dB HL = 正常 |
| 気導検査での音 | 断続音(パルス音)を使用 |
| 気導検査でマスキング | 通常は不要(周波数が離れていれば) |
| 骨導検査でマスキング | **必須**(両耳に伝わるため) |
骨導検査マスキングの理由
- 骨導音は頭部全体を振動させるため、両耳に同時に伝わる
- マスキングなしでは「より聴力が良い耳の結果」が優位になる
- 対側耳をホワイトノイズでマスク→測定側耳の真の感度を測定可能
よくある誤り
- 「正常は30dB HLまで」と勘違い(×)→「20dB HL程度以下」が正答
- 「気導検査で断続音は使わない」と覚える(×)→逆に「使う」のが標準
- 「骨導はマスキング不要」(×)→気導の周波数交差のみが考慮されたルール