第16回 言語聴覚士国家試験 第33問
学習心理学第16回
学習者の特性の違いによ って学習指導の効果が異なることを何と呼ぶか。
- 1.適性処遇交互作用 ✓
- 2.期待効果 (ピグマリオン効果)
- 3.先行オーガナイザー
- 4.プライミング効果
- 5.ツァイガルニク効果
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 適性処遇交互作用
「学習者の特性の違いによって学習指導の効果が異なる」という現象を指す用語として、適性処遇交互作用(Aptitude-Treatment Interaction: ATI)が最も適切です。この概念は、同じ学習方法でも学習者の適性・能力・学習スタイルによって効果に差が生じることを示しており、教育の個別化・個性化の重要性を強調しています。
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【各選択肢の解説】
1. 適性処遇交互作用
✅ 正しい。学習者の特性(適性:適応性・能力・学習スタイルなど)と学習指導方法(処遇)の相互作用によって学習効果が変わることを示す概念です。同じ教え方でも学習者によって効果が異なることを説明する理論として標準的です。
2. 期待効果(ピグマリオン効果)
❌ 誤り。教師の期待が学習者の成績に影響を与える現象(自己成就的予言)を指しており、「学習者の特性の違いによって指導効果が異なる」という意味ではありません。教師の心理的態度による効果です。
3. 先行オーガナイザー
❌ 誤り。学習前に事前知識や学習の枠組みを提示し、学習を促進する手法です。学習者の特性による指導効果の違いを説明する概念ではなく、授業設計の技法です。
4. プライミング効果
❌ 誤り。先に与えられた刺激が、後の認知や判断に無意識的に影響を与える心理現象です。学習指導方法と学習者の特性との相互作用とは無関係です。
5. ツァイガルニク効果
❌ 誤り。完了した課題より未完了課題の方がより記憶に残りやすいという記憶現象です。学習方法と学習者の適性の相互作用とは関連性がありません。
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【試験対策ポイント】
| 概念 | 意味 | 教育場面での役割 |
|---|---|---|
| 適性処遇交互作用(ATI) | 学習者特性と指導方法の相互作用で効果が異なる | 個別化教育の理論的基盤 |
| ピグマリオン効果 | 教師の期待が学習者成績に影響 | 教師の心理的態度の重要性 |
| 先行オーガナイザー | 事前知識提示で学習を促進 | 授業デザイン技法 |
| プライミング効果 | 先行刺激が後の判断に影響 | 無意識的認知現象 |
| ツァイガルニク効果 | 未完了課題がよく記憶される | 記憶の法則 |
**キーワード**
- 適性:学習者の能力・スタイル・学習歴など個人差
- 処遇:教授方法・カリキュラム・学習環境など指導側の変数
- **相互作用が焦点**:個人差と方法の「組み合わせ」で効果が決まる
**紛らわしい選択肢との区別**
- ピグマリオン効果を選んでしまいやすい理由:どちらも「学習効果の個人差」に関わるが、ピグマリオンは「教師期待」が原因、ATIは「学習者の適性と方法の適合性」が原因という違いがあります。