第16回 言語聴覚士国家試験 第34問
生涯発達心理学第16回
Gesell,A.の成熟優位説に関係ないのはどれか。
a.双生児統制法
b.誤信念課題
c.発達加速現象
d.学習準備性
e.階段登りの実験
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
Gesell(ゲゼル)の成熟優位説は、発達が遺伝的要因によってあらかじめ決定されたプログラムに従って進むという理論です。この理論を支持する実験や概念がa・d・eであるのに対し、b(誤信念課題)はピアジェの認知発達理論に関連し、c(発達加速現象)は成熟説とは対立する概念であるため、この2つが成熟優位説に関係ありません。
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【各選択肢の解説】
a. 双生児統制法
✅ 正しい。成熟優位説を支持する最重要な研究方法です。一卵性双生児と二卵性双生児の発達パターンを比較することで、遺伝的要因の影響を明らかにしました。ゲゼルの主要な研究手法の一つです。
b. 誤信念課題
❌ 誤り。これはピアジェとその後継者たちが開発した課題で、子どもの心の理論や認知発達を測定するものです。成熟優位説ではなく、認知構造の発達段階を仮定する理論に基づいています。
c. 発達加速現象
❌ 誤り。発達加速現象(secular trend)は、世代を経るごとに身長や体重などの発達が加速する現象で、環境要因(栄養・衛生環境の改善)が発達に大きく影響することを示します。これは成熟優位説と対立する概念です。
d. 学習準備性
✅ 正しい。成熟優位説の核心的な概念です。子どもが特定の学習を習得できるようになるには、神経系統や身体が十分に成熟することが前提であるという考え方で、ゲゼルが強調しました。
e. 階段登りの実験
✅ 正しい。ゲゼルは同一環境で育てられた双生児に対し、一人に階段登り訓練を加え、もう一人には訓練せずに自然成熟を待つ実験を行いました。結果、訓練の有無に関わらず発達段階が同じになることで、成熟優位説を支持しました。
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【試験対策ポイント】
成熟優位説の関連概念と対立概念の整理
| 成熟優位説を支持する | 成熟説と無関係or対立する |
|---|---|
| 双生児統制法(遺伝的影響を測定) | 誤信念課題(ピアジェの認知発達理論) |
| 学習準備性(成熟待つ重要性) | 発達加速現象(環境要因の証拠) |
| 階段登りの実験(訓練効果否定) | — |
ゲゼル重要用語
- 個体発生反復説:個体の発達は系統発生を反復する
- 螺旋形成長:一度登った段階に戻ってから進む
- 発達スケジュール:月齢ごとに標準化された発達段階
誤信念課題は「Sally-Ann課題」が有名(心の理論測定)であり、ピアジェ派の理論です。