第16回 言語聴覚士国家試験 第35問
生涯発達心理学第16回
Piaget, J の知能の発達段階のうち前操作期の説明はどれか。
- 1.自分が具体的に理解できるものについては論理的な操作や思考ができる。
- 2.環境に適応する際に生得的な反射を用いる。
- 3.目と手の協応が生じ、見たものをつかめるようになる。
- 4.事物を分類したり 関連付けたりする際の推理や判断が直観作用に依存してい る。 ✓
- 5.仮説演繹法な思考が可能になる。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 事物を分類したり関連付けたりする際の推理や判断が直観作用に依存している。
前操作期(2~7歳)の特徴は、「具体的操作ができない」段階です。子どもは直観的な知覚に頼って判断するため、外観の変化に影響されやすく、論理的思考が発達していません。この選択肢は前操作期の最大の制限を正確に表現しています。
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【各選択肢の解説】
1. 自分が具体的に理解できるものについては論理的な操作や思考ができる。
❌ 誤り。これは具体的操作期(7~11歳)の説明です。前操作期はむしろ論理的操作ができない段階であり、直観に依存しています。
2. 環境に適応する際に生得的な反射を用いる。
❌ 誤り。これは感覚運動期(0~2歳)の説明です。前操作期ではすでに反射段階を超え、象徴的思考や模倣が発達しています。
3. 目と手の協応が生じ、見たものをつかめるようになる。
❌ 誤り。目と手の協応は感覚運動期(特に生後4~6ヶ月頃)で発達する現象です。前操作期はこれ以降の段階です。
4. 事物を分類したり関連付けたりする際の推理や判断が直観作用に依存している。
✅ 正しい。前操作期の中核的な特徴です。保存概念がないため、物質の量・長さ・数を直観的な知覚で判断します(例:容器の形が変わると量が変わったと思う)。
5. 仮説演繹法な思考が可能になる。
❌ 誤り。これは形式的操作期(11~15歳以降)で初めて可能になる抽象的思考です。前操作期ではこの高度な思考能力はまだ発達していません。
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【試験対策ポイント】
Piaget認知発達段階の整理表:
| 段階 | 年齢 | 主な特徴 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 感覚運動期 | 0~2歳 | 反射・感覚運動統合 | 対象の永続性、目と手の協応 |
| **前操作期** | **2~7歳** | **直観的思考・象徴的表現** | **保存概念なし、自己中心性、直観作用依存** |
| 具体的操作期 | 7~11歳 | 論理的操作(具体的範囲内) | 保存概念獲得、可逆性、脱自己中心化 |
| 形式的操作期 | 11~15歳以降 | 抽象的論理的思考 | 仮説演繹法、形式的操作 |
前操作期の重要な制限(誤答しやすい点):
- 「保存概念の欠如」→同じ量の液体を異なる形の容器に入れると、子どもは異なる量だと判断
- 「自己中心的思考」→他者の視点を理解できない
- 「可逆性の欠如」→操作を元に戻すことで元の状態に戻ることを理解できない
- 「直観作用の支配」→外見の変化に思考が支配される
頻出の紛らわしいポイント:
- 感覚運動期との区別:目と手の協応は前操作期ではなく感覚運動期
- 具体的操作期との区別:「論理的操作ができる」は具体的操作期以降