第16回 言語聴覚士国家試験 第40問
音響学第16回
音声生成の ソース・フィルタモデルの 3 要素はどれか。
a.音源
b.声道
c.放射
d.反射
e.共鳴
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b,c(音源、声道、放射)
ソース・フィルタモデルは音声生成を3つの独立した要素に分解する音響学の基本モデルです。音源(声帯振動)で生成された音が、声道(フィルタ)を通過し、最後に口唇などから放射されるという一連のプロセスで音声が形成されると考えます。
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【各選択肢の解説】
a. 音源
✅ 正しい。声帯の周期的振動により低周波の音源信号が生成されます。この音源がソース・フィルタモデルの第1要素です。
b. 声道
✅ 正しい。咽頭腔・口腔・唇などの形状が周波数フィルタとして機能し、音源信号を修飾します。これがソース・フィルタモデルの第2要素(フィルタ部)です。
c. 放射
✅ 正しい。口唇や鼻孔からの音波の放射特性が、最終的な音声スペクトラムに影響を与えます。これがソース・フィルタモデルの第3要素です。
d. 反射
❌ 誤り。声道内における音波の反射は確かに存在しますが、ソース・フィルタモデルの基本3要素には含まれません。反射は声道フィルタ機能の内部メカニズムの一部です。
e. 共鳴
❌ 誤り。共鳴(共振現象)も声道フィルタの作用機序の一部として関連していますが、ソース・フィルタモデルの独立した3要素ではありません。共鳴は「声道」というフィルタ要素の中に包含される概念です。
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【試験対策ポイント】
ソース・フィルタモデルの3要素
| 要素 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 音源(Source) | 音声エネルギーの生成 | 声帯の周期的振動 |
| 声道(Filter) | 周波数特性の修飾 | 咽頭腔・口腔形状により共振周波数(フォルマント)決定 |
| 放射(Radiation) | 口唇からの音波放射の特性 | 口唇面積が小さいため低周波は減衰 |
紛らわしい概念との区別
- 「共鳴」「反射」は音響現象として存在するが、モデルの基本3要素ではない
- 共鳴=声道内での共振現象=フィルタ機能に含まれる
- 反射=音波の反射現象=フィルタ機能の内部メカニズム
出題の裏返し知識
- ソース・フィルタモデルは「3要素」と明確に定義されている(4要素や5要素ではない)
- 音源+声道+放射=完全な音声生成プロセス