第16回 言語聴覚士国家試験 第51問
言語聴覚障害総論第16回
誤っているのはどれか。
- 1.質問紙法は 日常生活の実態を評価に反映させることができる。
- 2.観察法では自発的行動の生起頻度を測定できる。
- 3.テスト法の利点は客観性が高いことである。
- 4.タイム・サンプリング法では特定の行動の持続時間を記録する 。 ✓
- 5.評定法では寛大効果が生じることがある。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — タイム・サンプリング法では特定の行動の持続時間を記録する。
タイム・サンプリング法は一定時間間隔での行動の「有無(生起/非生起)」を記録する方法であり、行動の持続時間を記録するものではありません。行動の持続時間を記録するのは「デュレーション・レコーディング法」です。
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【各選択肢の解説】
1. 質問紙法は日常生活の実態を評価に反映させることができる。
✅ 正しい。質問紙法は対象者の日常生活での実際の行動や経験を直接聴取でき、実験室的な検査では得られない生活場面の実態を把握できます。
2. 観察法では自発的行動の生起頻度を測定できる。
✅ 正しい。観察法(特に行動観察)は対象者が自然に行う行動の頻度(生起回数)を客観的に測定できます。これは観察法の重要な利点です。
3. テスト法の利点は客観性が高いことである。
✅ 正しい。テスト法は標準化された手続きに基づき、客観的な数値化が可能で、検査者間の誤差が少ないのが特徴です。
4. タイム・サンプリング法では特定の行動の持続時間を記録する。
❌ 誤り。タイム・サンプリング法は一定間隔(例:10秒ごと)で観察時点における行動の「有無」のみを記録します。持続時間を正確に記録する方法ではありません。
5. 評定法では寛大効果が生じることがある。
✅ 正しい。評定法では評価者が対象者を過度に肯定的に評価する「寛大効果(ハロー効果の一種)」や「中心化傾向」などのバイアスが生じやすいことが知られています。
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【試験対策ポイント】
行動観察の記録方法の比較
| 方法 | 記録内容 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| デュレーション・レコーディング | 行動の持続時間 | 行動がどのくらい続いたか | 時間経過を重視 |
| タイム・サンプリング法 | 特定時点での行動の有無 | 行動の生起頻度・パターン | 一定間隔で記録 |
| イベント・サンプリング(生起頻度記録) | 行動の生起回数 | 行動の頻度 | 行動が起きた回数をカウント |
各評価方法の利点
- 質問紙法:日常生活の実態が反映される、効率的
- 観察法:自発的行動の頻度・パターンが測定できる
- テスト法:客観性が高い、標準化が可能
- 評定法:量的評価が容易、比較可能(ただしバイアスに注意)
紛らわしい用語
- タイム・サンプリング法≠デュレーション・レコーディング法
- どちらも「時間」に関する記録だが、記録内容が異なる
- タイムサンプリングは「〇〇時点での有無」、デュレーション記録は「〇〇分間続いた」