STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第55問

失語症第16回
原発性進行性失語症の原因疾患はどれか。 a.多発性硬化症 b.脳血管性認知症 c.アルツハイマー 病 d.前頭側頭葉変性症 e.パーキンソン病 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c. アルツハイマー病、d. 前頭側頭葉変性症 原発性進行性失語症(PPA:Primary Progressive Aphasia)は、神経変性疾患に伴う進行性の言語障害です。主な原因は神経変性疾患に限定され、特にアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症(FTD)が代表的です。一方、多発性硬化症・脳血管性認知症・パーキンソン病は、失語症が生じてもPPAの原因疾患ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 多発性硬化症 ❌ 誤り。多発性硬化症は白質の脱髄疾患であり、失語症を伴うことは稀です。PPAの原因疾患に含まれません。 b. 脳血管性認知症 ❌ 誤り。脳梗塞などの脳血管障害に伴う失語症は「脳血管性失語症」であり、PPAではありません。PPAは神経変性疾患(退行性疾患)に限定されます。 c. アルツハイマー病 ✅ 正しい。アルツハイマー病は神経変性疾患であり、言語関連領域の萎縮により進行性の言語障害を引き起こすPPAの代表的原因疾患です。 d. 前頭側頭葉変性症 ✅ 正しい。FTDは前頭葉・側頭葉の選択的萎縮を特徴とする神経変性疾患で、PPAの最も一般的な原因疾患です。特に意味性認知症(semantic dementia)と進行性非流暢性失語症(nfvPPA)の代表原因です。 e. パーキンソン病 ❌ 誤り。パーキンソン病の主症状は運動障害(振戦・固縮・寡動)であり、失語症は本質的な特徴ではありません。PPAの原因に含まれません。 --- 【試験対策ポイント】 PPA(原発性進行性失語症)の原因疾患 | 疾患 | 分類 | PPAの原因か | |---|---|---| | アルツハイマー病 | 神経変性疾患 | ✅ はい | | 前頭側頭葉変性症 | 神経変性疾患 | ✅ はい | | 多発性硬化症 | 脱髄疾患 | ❌ いいえ | | 脳血管性認知症 | 血管性疾患 | ❌ いいえ | | パーキンソン病 | 神経変性疾患 | ❌ いいえ(失語症は本質症状でない) | キーワード: - PPA=神経変性疾患による進行性言語障害 - 脳血管性失語症≠PPA(原因が異なる) - FTDはPPAの最多原因 - 神経変性≠脱髄、脳血管障害、パーキンソン症候群
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