STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第58問

失語症第16回
[お名前は?」という質問に「お名前って何ですか?」と聞き返す失語症はどれか。
  1. 1.ブロ-カ失語
  2. 2.ウェルニッケ失語
  3. 3.超皮質性感覚失語 ✓
  4. 4.伝導失語
  5. 5.健忘性失語

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 超皮質性感覚失語 「お名前は?」という質問に対して「お名前って何ですか?」と聞き返すのは、質問の意味が理解できていないことを示しています。超皮質性感覚失語は、理解障害があるため相手の言葉の意味が分からず、質問を認識しながらも内容理解ができないため、相手の言葉をオウム返し的に疑問形で返す特徴があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. ブロカ失語 ❌ 誤り。ブロカ失語は非流暢性ですが、理解が比較的良好です。「お名前は?」という簡潔な質問であれば理解でき、自分の名前を知っていれば無言又は短く答える傾向にあります。理解があるため「質問の意味がわからない」という反応は出ません。 2. ウェルニッケ失語 ❌ 誤り。ウェルニッケ失語は理解が悪いため、質問の意味が分からない点は共通しますが、通常は流暢で冗長な反応(ジャルゴン)が特徴です。質問の言葉を疑問形で聞き返すよりも、意味不明な言語が自動的に産出される傾向にあります。 3. 超皮質性感覚失語 ✅ 正しい。超皮質性感覚失語は、受容性言語理解が悪いために相手の質問の意味が分かりません。しかし復唱能力が保持されているため、聞いた言葉をそのまま「オウム返し」に、かつ疑問形で返すことができます。「お名前は?」→「お名前って何ですか?」という反応がこれに当たります。 4. 伝導失語 ❌ 誤り。伝導失語は復唱が著しく悪い一方で、理解は比較的良好です。「お名前は?」という質問であれば理解でき、自分の名前を答えようとします。質問を疑問形で返す反応は起こりません。 5. 健忘性失語 ❌ 誤り。健忘性失語は理解が良好で、流暢性も保持されています。「お名前は?」という質問を理解し、名前を思い出そうと努力する反応(「あ、あの…」など)が特徴です。質問の意味がわからず、疑問形で聞き返すことはありません。 --- 【試験対策ポイント】 超皮質性感覚失語の「4つの特徴」 | 特徴 | 内容 | 他の失語症との区別点 | |---|---|---| | 理解 | 著しく不良 | ウェルニッケと共通するが、反応が異なる | | 復唱 | 良好~正常 | ウェルニッケ・伝導失語との決定的相違 | | 流暢性 | 流暢 | ブロカ失語との相違 | | 命名 | 不良 | 理解障害が根底にある | 「オウム返し」は超皮質性感覚失語の診断的特徴 - 聞き取った音声をそのまま正確に返す(復唱機能がある) - ただし意味が分からないため、質問に答えるのではなく、言葉そのものを返す - 特に「疑問形で返す」→相手の「?」の感情を言語的に感知して疑問形にしている可能性 「質問に対する聞き返し」が出現する失語症 | 失語症 | 理解 | 聞き返しの性質 | |---|---|---| | 超皮質性感覚失語 | 不良 | 意味がわからず、言葉をオウム返し | | 軽度ウェルニッケ失語 | 不良 | ジャルゴンまじりの
関連

▶ 第16回 全問一覧

▶ 失語症 の過去問一覧