第16回 言語聴覚士国家試験 第59問
失語症第16回
失語症検査について誤っているのはどれか.
- 1.WAB 失語症検査では失語指数を算出する。
- 2.標準失語症検査(SLTA)は語列挙の検査項目を含む。
- 3.失語症構文検査では理解ストラテジーを評価する。
- 4.失語症語彙検査は認知神経心理学的モデルに基づく。
- 5.実用的コミュニケーション能力検査では発話量を計測する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 実用的コミュニケーション能力検査では発話量を計測する。
実用的コミュニケーション能力検査(CAPPA)は「発話量」ではなく「コミュニケーション効率」と「情報伝達」の質的評価を重視する検査です。定量的な発話量の計測を目的とした検査ではなく、日常生活場面でのコミュニケーション能力を機能的に評価することが特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. WAB失語症検査では失語指数を算出する。
✅ 正しい。WAB(Western Aphasia Battery)は失語症の重症度を示す「失語指数」(Aphasia Quotient: AQ)を算出することが主要な機能です。AQは0〜100点で表示され、失語症の程度分類に用いられます。
2. 標準失語症検査(SLTA)は語列挙の検査項目を含む。
✅ 正しい。SLTA(標準失語症検査)は日本の標準的失語症検査で、「語列挙」(名詞や動詞をできるだけ多く挙げさせる)は失語症タイプの判別に重要な検査項目です。
3. 失語症構文検査では理解ストラテジーを評価する。
✅ 正しい。失語症構文検査は文法的に複雑な構文を理解する際に、患者がどのような「理解ストラテジー」(代償的戦略)を用いているかを評価します。例えば、語順依存戦略などが含まれます。
4. 失語症語彙検査は認知神経心理学的モデルに基づく。
✅ 正しい。失語症語彙検査は認知神経心理学的モデル(語彙へのアクセス過程やセマンティックネットワークなど)に基づいた言語処理メカニズムを評価する検査として設計されています。
5. 実用的コミュニケーション能力検査では発話量を計測する。
❌ 誤り。実用的コミュニケーション能力検査(CAPPA)は「発話量の定量計測」ではなく、コミュニケーション場面での「コミュニケーション効率」「情報伝達の質」「相互作用能力」など機能的側面を質的に評価することが目的です。
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【試験対策ポイント】
失語症検査の主要機能の整理:
| 検査名 | 主要目的 | 重要な指標 |
|---|---|---|
| WAB | 重症度評価 | 失語指数(AQ) |
| SLTA | 失語タイプ判別・重症度 | 語列挙・復唱など |
| 失語症構文検査 | 文法理解と戦略評価 | 理解ストラテジー |
| 失語症語彙検査 | 語彙処理機構の評価 | 認知神経心理学モデル基準 |
| 実用的コミュニケーション能力検査(CAPPA) | 機能的コミュニケーション評価 | コミュニケーション効率・質 |
キーワード:CAPPA「定性的評価」と「発話量計測」の区別
・発話量計測検査:音韻流暢性検査、意味流暢性検査
・CAPPAは「どれだけしゃべったか」でなく「どれだけ効果的に伝わったか」を評価