第16回 言語聴覚士国家試験 第74問
言語発達障害学第16回
言語発達障害児の保護者への初回面接で適切なのはどれか。
a.黙っている時間を作らない。
b.内容が違うときはすぐに修正する。
c.話が冗長なときには中断する。
d.話しているときにうなずく。
e.相手の言ったことを繰り返す。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d. 話しているときにうなずく。e. 相手の言ったことを繰り返す。
保護者初回面接は「ラポール形成」と「情報収集」が目的です。傾聴的態度で保護者の話を受け入れ、安心感と信頼関係を築く必要があります。dとeはこの原則に合致する正当な面接技法です。
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【各選択肢の解説】
a. 黙っている時間を作らない。
❌ 誤り。適切な沈黙は面接の質を高めます。保護者が思考をまとめたり、感情を整理する時間を与えることは共感的傾聴の基本です。「空白を埋めようとする焦り」は逆効果。
b. 内容が違うときはすぐに修正する。
❌ 誤り。初回面接でSTが「修正者」の立場を取るのは不適切です。保護者の語りが不正確でも、まずは「聞き役に徹する」ことが信頼構築につながります。修正は後のフィードバック段階で行います。
c. 話が冗長なときには中断する。
❌ 誤り。保護者の発言を中断することは傾聴を妨げ、「話を聞く気がない」というメッセージになります。冗長さも含めて受け入れる姿勢が重要です。
d. 話しているときにうなずく。
✅ 正しい。うなずきは傾聴の非言語的表現です。「あなたの話を聞いています」というメッセージになり、保護者の発話を促進し、ラポール形成に直結します。
e. 相手の言ったことを繰り返す。
✅ 正しい。反射的傾聴(paraphrase/reflection)は共感的な応答技法です。保護者の発言を確認しながら繰り返すことで、①正確な情報収集、②保護者が「理解されている」という感覚、③信頼関係の構築が実現します。
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【試験対策ポイント】
面接技法における「傾聴」と「指導」の使い分け
| 時期 | 面接目的 | 適切な態度 | 不適切な態度 |
|---|---|---|---|
| 初回面接 | ラポール形成・情報収集 | 受け入れ・共感的傾聴 | 指摘・修正・中断 |
| 経過面接 | 経過確認・アドバイス | 傾聴+助言 | 一方的な指導 |
| 終結面接 | まとめ・評価フィードバック | 肯定的評価・修正含む | 否定的評価のみ |
共感的傾聴の3つの要素
- 非言語的:うなずき・視線接触・身体の向き
- 準言語的:語調・トーン・沈黙の活用
- 言語的:反復・言い換え・要約
初回面接で「してはいけない」行動
- 沈黙を埋めようとする焦り→保護者の思考時間を奪う
- 間違いをすぐ修正→指導者姿勢が強まりラポール破壊
- 話を遮断→傾聴の放棄