STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第82問

形成外科学第16回
舌半側切除術後の再建に用いられないのはどれか 。
  1. 1.前腕皮弁
  2. 2.大胸筋皮弁
  3. 3.腹直筋皮弁
  4. 4.外側大腿皮弁
  5. 5.遊離空腸 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 遊離空腸 舌半側切除術後の再建は、口腔内の欠損部を補填する必要があります。遊離空腸は、咽頭食道再建や気管再建など「管状臓器の再建」に用いられる再建材料であり、舌という「実質臓器の再建」には適応されません。舌の機能(咀嚼・嚥下・構音)を回復させるには、厚みのある軟部組織を必要とするため、皮弁による再建が選択されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 前腕皮弁 ✅ 正しい。前腕の遊離皮弁(radial forearm flap)は、舌再建の第一選択肢とされています。皮膚と皮下組織の厚みが適切で、血管茎が長く、操作性に優れています。 2. 大胸筋皮弁 ✅ 正しい。有茎皮弁として頭頸部再建に広く用いられます。舌半側切除後の再建にも適応され、特に広範な欠損時に有用です。血流が豊富で信頼性が高い。 3. 腹直筋皮弁 ✅ 正しい。遊離皮弁として、筋層を含む厚みのある組織が得られます。舌再建時に選択される再建材料の一つで、特に欠損が大きい場合に用いられます。 4. 外側大腿皮弁 ✅ 正しい。遊離皮弁として頭頸部再建に広く用いられる材料です。皮膚の面積が大きく得られ、厚みも適切であり、舌再建の適応があります。 5. 遊離空腸 ❌ 誤り。遊離空腸は管状構造を活かし、「咽頭食道再建」「気管再建」「尿路再建」に用いられます。舌のような実質臓器の再建には不適切で、むしろ舌の機能を損なう可能性があります。 --- 【試験対策ポイント】 舌・口腔再建の適応材料 | 再建材料 | 形態 | 主な適応 | |---|---|---| | 前腕皮弁 | 遊離皮弁 | 舌再建(第一選択) | | 大胸筋皮弁 | 有茎皮弁 | 舌・口底再建 | | 腹直筋皮弁 | 遊離皮弁 | 広範囲再建 | | 外側大腿皮弁 | 遊離皮弁 | 舌・口腔再建 | | 遊離空腸 | 遊離移植 | 咽頭食道再建・気管再建 | 重要な区別: - 遊離空腸は「管状臓器」の欠損補填に限定 - 舌再建には「厚みのある軟部組織」が必須 - 遊離皮弁は血管吻合の技術が必要だが、舌機能の回復に優れている - 有茎皮弁(大胸筋)は操作が簡便で、血流が安定しやすい
関連

▶ 第16回 全問一覧

▶ 形成外科学 の過去問一覧