第16回 言語聴覚士国家試験 第83問
運動障害性構音障害第16回
運動低下性構音障害をきたすのはどれか。
- 1.多発根神経炎
- 2.進行性球麻庫
- 3.パーキンソン病 ✓
- 4.重症筋無力症
- 5.筋ジス トロフィー
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — パーキンソン病
運動低下性構音障害は錐体外路系(特に黒質線条体)の障害によって生じ、パーキンソン病がその代表的な原因です。パーキンソン病では、運動が緩徐化(bradykinesia)し、音量低下・音の単調化・加速現象などの特徴的な音声音韻症状が出現します。
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【各選択肢の解説】
1. 多発根神経炎
❌ 誤り。末梢神経障害であり、弛緩性構音障害をきたします。下位運動ニューロン障害のため、開鼻声や気息性嗄声が特徴です。
2. 進行性球麻痺
❌ 誤り。上位運動ニューロン障害(両側錐体路障害)であり、痙性構音障害をきたします。努力性嗄声が典型的です。
3. パーキンソン病
✅ 正しい。錐体外路系(黒質線条体)の障害により、運動低下性構音障害が生じます。加速現象・音量低下・単調な音声が特徴です。
4. 重症筋無力症
❌ 誤り。神経筋接合部障害であり、弛緩性構音障害をきたします。疲労性が特徴で、反復運動で症状が悪化します。
5. 筋ジストロフィー
❌ 誤り。筋肉の一次的障害であり、弛緩性構音障害をきたします。呼吸筋の衰弱も伴い、気息性嗄声が生じます。
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【試験対策ポイント】
構音障害の分類(Mayo分類)と原因疾患の対応
| 構音障害のタイプ | 障害部位 | 代表疾患 | 音声音韻症状 |
|---|---|---|---|
| 痙性 | 両側錐体路 | 脳卒中、進行性球麻痺 | 努力性嗄声、緊張 |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 顔面神経麻痺、多発根神経炎、球麻痺 | 開鼻声、気息性嗄声 |
| 失調性 | 小脳 | 小脳梗塞、脊髄小脳変性症 | 断綴性発話、スキャニングスピーチ |
| **運動低下性** | **錐体外路系** | **パーキンソン病** | **加速現象、音量低下、単調** |
| 混合性 | 複数部位 | ALS(弛緩性+痙性) | 複数の症状混在 |
重要な鑑別ポイント
- 各疾患が属する神経学的カテゴリーを押さえることが鍵
- 進行性球麻痺=「球麻痺」=下位運動ニューロン障害ではなく、上位運動ニューロン障害(痙性)
- パーキンソン病の構音障害は「減量」「減速」「単調化」が特徴(加速現象も特異的)
- 弛緩性障害(多発根神経炎、重症筋無力症、筋ジストロフィー)と痙性障害(進行性球麻痺)の区別が頻出