第16回 言語聴覚士国家試験 第87問
嚥下障害第16回
嚥下の直接訓練において肺炎の兆候を知るのに有用なのはどれか。
a.CRP
b.胸部聴診
c.血圧
d.血中ヘモグロ ビン
e.血中酸素飽和度モニター
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e(CRP、胸部聴診、血中酸素飽和度モニター)
嚥下の直接訓練中に誤嚥性肺炎の発症を早期に検出するには、炎症マーカー(CRP)、臨床所見(聴診音の異常)、酸素化状態(SpO2低下)が有用です。これら3つは肺炎の急性期変化を捉える指標として重要です。
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【各選択肢の解説】
a. CRP
✅ 正しい。C反応性蛋白は細菌感染に伴う急性炎症反応の指標であり、誤嚥性肺炎の早期発見に有用です。通常24時間以内に上昇し、肺炎診断の重要な検査値です。
b. 胸部聴診
✅ 正しい。肺炎では捻髪音や濁音などの聴診音の異常が生じます。直接訓練中の臨床的観察として即座に肺炎の兆候を検出できる有用な方法です。
c. 血圧
❌ 誤り。血圧は肺炎発症時に直接的な変化を示さないため、肺炎の兆候検出には特異的ではありません。敗血症が進行した場合には低下しますが、早期発見には適切ではありません。
d. 血中ヘモグロビン
❌ 誤り。ヘモグロビン値は肺炎の発症そのものを反映しません。慢性疾患による貧血や過去の感染履歴を示すに過ぎず、肺炎の兆候検出には有用ではありません。
e. 血中酸素飽和度モニター
✅ 正しい。SpO2低下は肺炎による肺実質の炎症・浸潤を反映し、酸素化障害の重要な指標です。連続モニターにより急性の変化を即座に検出できます。
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【試験対策ポイント】
肺炎診断の3つのアプローチ:
| 検査法 | 時間軸 | 肺炎診断での役割 | 直接訓練中の有用性 |
|---|---|---|---|
| CRP(炎症マーカー) | 24時間以内に上昇 | 感染確認 | ◎有用 |
| 胸部聴診(身体診察) | 即時 | 肺変化の臨床検出 | ◎有用 |
| SpO2モニター(酸素化) | リアルタイム | 肺機能低下の検出 | ◎有用 |
| 血圧 | — | 循環動態のみ | ✗無関連 |
| Hb | — | 酸素運搬能のみ | ✗無関連 |
重要否定知識:
- 血圧・ヘモグロビンは「肺炎の一般的な全身反応」ではあるが、肺炎特異性が低い
- 直接訓練中は「いつ誤嚥が起こったか」を知ることが最優先→**即座に変化を捉える指標(聴診・SpO2)**と**早期炎症確認(CRP)**が必須
- 胸部X線はここでは選択肢にないが、診断精度は最高(ただし画像撮影時間がかかる)