第16回 言語聴覚士国家試験 第93問
聴力検査第16回
純音聴力検査について誤っているのはどれか。
- 1.気導骨導差は 内耳道狭窄による。 ✓
- 2.骨導闇値は伝音系の状態に影響を受ける。
- 3.骨導検査は骨迷路を振動させて内耳を刺激する 。
- 4.低音域の骨導闇値は骨導受話器の当て方で変化する 。
- 5.気導検査による聴力闘値は伝音系と感音系の両方の状態を反映する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 気導骨導差は内耳道狭窄による。
気導骨導差(ABG:Air-Bone Gap)が生じるのは「伝音系の障害」であり、内耳道狭窄は内耳道内の構造物(聴神経など)に影響を与える「感音系の問題」です。内耳道狭窄では気導・骨導ともに低下するため、気導骨導差は生じません。気導骨導差の主な原因は、中耳炎や耳硬化症などの伝音障害です。
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【各選択肢の解説】
1. 気導骨導差は内耳道狭窄による。
❌ 誤り。内耳道狭窄は感音系(内耳~聴神経)の障害であり、気導・骨導の両方が低下します。気導骨導差が生じるのは「伝音系障害」(中耳炎、耳硬化症など)です。感音系障害では骨導閾値も上昇するため、気導骨導差は拡大しません。
2. 骨導閾値は伝音系の状態に影響を受ける。
❌ 誤り。骨導検査は骨迷路を直接振動させて内耳を刺激するため、伝音系を「バイパス」します。したがって骨導閾値は「感音系(内耳~聴神経)の状態のみ」を反映し、伝音系の影響は受けません。これが気導検査との比較で伝音難聴を診断する根拠になります。
3. 骨導検査は骨迷路を振動させて内耳を刺激する。
✅ 正しい。骨導検査は、骨導受話器(通常は乳突突起に当てる)を通じて頭部骨を振動させ、骨迷路を直接刺激します。伝音系を通さず内耳に直接刺激が届くため、感音能力の評価が可能です。
4. 低音域の骨導閾値は骨導受話器の当て方で変化する。
✅ 正しい。特に低周波数(125~500Hz)では、骨導受話器の圧着力や当て方(乳突突起の位置)が閾値に影響します。高周波数ほどこの影響は少なくなります。したがって骨導検査の信頼性向上には、受話器の当て方の標準化が重要です。
5. 気導検査による聴力閾値は伝音系と感音系の両方の状態を反映する。
✅ 正しい。気導検査では音が外耳道→中耳(伝音系)→内耳(感音系)を順に通過して聴覚中枢に到達するため、閾値は両系の障害を合わせて反映します。これが気導と骨導を比較する意義です。
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【試験対策ポイント】
気導骨導差の理解(超重要)
| 検査法 | 刺激経路 | 反映する障害 |
|---|---|---|
| 気導 | 外耳→中耳→内耳(全経路) | 伝音系+感音系 |
| 骨導 | 骨迷路を直接振動(伝音系バイパス) | 感音系のみ |
気導骨導差が生じる場合:伝音障害
- 中耳炎、耳硬化症、耳小骨連鎖離断
- 気導低下、骨導正常(相対的に)
気導骨導差が生じない場合:感音障害
- 内耳道狭窄、突発性難聴、加齢性難聴
- 気導・骨導ともに同程度低下
キーワード
- 内耳道狭窄=感音系障害(気導骨導差なし)
- 低音域骨導=当て方の影響大きい
- 骨導受話器の標準圧着力