第16回 言語聴覚士国家試験 第96問
成人聴覚障害第16回
聴覚障害者の生涯発達に一貫して必要な支援はどれか 。
- 1.言語獲得
- 2.音韻形成
- 3.対話技法 ✓
- 4.教科知識
- 5.職業適応
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 対話技法
聴覚障害者は乳幼児期から高齢期まで、他者とのコミュニケーションの手段として対話技法(手話、口話、筆談、補聴器・人工内耳の活用など)が常に必要になります。これは障害の性質上、生涯にわたって一貫して必要な支援となるからです。一方、言語獲得や音韻形成は発達段階特有の課題であり、特定の時期に集中的に取り組むべき支援です。
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【各選択肢の解説】
1. 言語獲得
❌ 誤り。言語獲得は乳幼児期から児童期における時間的に限定された発達課題です。一度基礎的な言語体系を獲得すれば、その後の支援内容は変わります。生涯一貫して必要な支援ではありません。
2. 音韻形成
❌ 誤り。音韻形成も幼児期から児童期における発達段階特有の課題です。聴覚フィードバックの欠如により困難になることが多いですが、これも成長とともに支援の内容が段階的に変わり、生涯継続して必要な支援ではありません。
3. 対話技法
✅ 正しい。対話技法はコミュニケーション手段全般を指し、手話の習得と深化、口話の改善、筆談の活用、補聴器や人工内耳による音声コミュニケーションの工夫など、人生のあらゆる段階で必要とされます。職場環境の変化、対話相手の多様化に応じて、常に対応が求められます。
4. 教科知識
❌ 誤り。教科知識の習得は学校教育期における課題であり、卒業後の人生全体で一貫して必要な支援ではありません。学習段階に特化した内容です。
5. 職業適応
❌ 誤り。職業適応は就労年代における支援課題です。乳幼児期や高齢期には直接的には不要であり、生涯を通じた一貫した支援ではありません。
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【試験対策ポイント】
生涯発達支援における「一貫性」の判定基準
| 支援内容 | 乳幼児期 | 児童・思春期 | 成人期 | 高齢期 | 一貫性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 言語獲得 | ✅ 必須 | ✅ 継続 | △ 維持 | △ 維持 | ❌ 段階的 |
| 音韻形成 | ✅ 必須 | ✅ 継続 | △ 改善のみ | ❌ | ❌ 段階的 |
| 対話技法 | ✅ 必須 | ✅ 深化 | ✅ 拡大・工夫 | ✅ 継続 | ✅ 一貫 |
| 教科知識 | ❌ | ✅ 中心 | △ 職務関連 | ❌ | ❌ 段階的 |
| 職業適応 | ❌ | △ 準備 | ✅ 必須 | ❌ | ❌ 段階的 |
重要な否定知識
- 「言語獲得」や「音韻形成」は、生涯にわたって継続的に行われるものではなく、発達の初期段階で集中的に取り組む課題
- 「教科知識」「職業適応」は時期限定的であり、生涯一貫した支援ではない
- 「対話技法」は相手や環境が変わっても常に必要な基本的スキル