第16回 言語聴覚士国家試験 第97問
補聴器・人工内耳第16回
補聴器のオープンフイツティングに最も必要な機能はどれか。
- 1.ノンリニア増幅
- 2.ハウリング抑制 ✓
- 3.雑音抑制
- 4.最大出力制限
- 5.衝撃音低減
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — ハウリング抑制
オープンフィッティングは外耳道をふさがずに音を伝える方式のため、補聴器から出た音が再び入力マイクに戻りやすく、ハウリングが極めて生じやすい。ハウリング抑制機能(フィードバック制御)がなければ、オープンフィッティングの使用は実質的に困難である。
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【各選択肢の解説】
1. ノンリニア増幅
❌ 誤り。ノンリニア増幅は周波数や音圧レベルに応じた非線形な増幅特性で、聴力レベルに応じた適切な補聴を実現するために必要だが、オープンフィッティング特有の課題(ハウリング)に対処する機能ではない。
2. ハウリング抑制
✅ 正しい。オープンフィッティングは外耳道が開放されているため、スピーカーからの音が再びマイクに入力されるフィードバックパスが形成されやすく、ハウリング(自励発振)が容易に発生する。位相制御やフィードバック検出・抑制機能が必須である。
3. 雑音抑制
❌ 誤り。雑音抑制(ノイズキャンセレーション)は聴取環境の改善には有用だが、オープンフィッティング特有の「ハウリング防止」という本質的な課題には直接対処しない。
4. 最大出力制限
❌ 誤り。最大出力制限は内耳の安全性と快適性のための機能だが、オープンフィッティングの特有課題に対応する機能ではない。
5. 衝撃音低減
❌ 誤り。衝撃音低減(インパクト・ノイズ低減)は瞬時的な衝撃音への対応であり、オープンフィッティングのハウリング問題を解決しない。
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【試験対策ポイント】
オープンフィッティングの定義と特徴:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 外耳道をふさがない、開放的な補聴器装用方式 |
| 利点 | 低周波騒音が減少、自分の声の響きが軽減(閉塞感の低減) |
| 欠点 | フィードバックループが形成される→ハウリングリスク増加 |
| 必須機能 | ハウリング抑制(フィードバック制御) |
ハウリング抑制の仕組み:
・位相反転フィードバック制御:再入力音を位相反転させて相殺
・適応型デジタルフィルタ:フィードバック路を動的に検出・抑制
・周波数シフト:周波数をわずかにずらして発振を防止
補聴器の主要機能の役割分け:
・ハウリング抑制→フィッティング形式に関連する機能的課題
・ノイズ抑制→音環境への対応
・出力制限→内耳保護
・増幅特性→聴力補償
オープンフィッティングは「低周波利得が少ない」「利得が小さい」ために、ハウリングリスクは相対的に低いと考えられやすいが、実際には外耳道開放による物理的なフィードバックパスの短縮がハウリング発生を促進するため、デジタル制御が必須である。