第16回 言語聴覚士国家試験 第98問
補聴器・人工内耳第16回
補聴器の周波数特性の測定法で正しいのはどれか
- 1.利得調整器の規準の位置は最大音響利得より15dB小さい値とする。
- 2.90dB最大出力音圧レベルのピーク値は2,500Hzにおける値とする。
- 3.規準周波数レスポンスは60dB SPLの純音を入力して測定する ✓
- 4.補聴器の性能を規定する 周波数範囲は125~8, 000 Hzとする。
- 5.最大音響利得の代表値は 1, 000 Hzにおける値とする。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 規準周波数レスポンスは60dB SPLの純音を入力して測定する
補聴器の周波数特性測定は国際規格(IEC 60118-3)で厳密に定められています。規準周波数レスポンス(Reference Frequency Response)は、60dB SPLの純音を補聴器に入力し、その音圧レベル出力を周波数に対してプロットしたもので、これが補聴器の基本的な周波数特性を示します。その他の測定法(最大出力、利得など)とは異なる入力レベルが指定されています。
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【各選択肢の解説】
1. 利得調整器の規準の位置は最大音響利得より15dB小さい値とする。
❌ 誤り。利得調整器(volume control)の規準位置(reference position)は、最大音響利得より「6dB小さい値」に規定されています。15dBは誤った数値です。
2. 90dB最大出力音圧レベルのピーク値は2,500Hzにおける値とする。
❌ 誤り。90dB最大出力音圧レベル(OSPL90)のピーク値は「1,000Hz」で測定・記録されます。2,500Hzではなく、1,000Hzが規準周波数です。
3. 規準周波数レスポンスは60dB SPLの純音を入力して測定する
✅ 正しい。IEC 60118-3で規定される規準周波数レスポンスは、60dB SPLの純音を補聴器に入力したときの周波数特性を測定するものです。これが補聴器の基本仕様を表します。
4. 補聴器の性能を規定する周波数範囲は125~8,000 Hzとする。
❌ 誤り。補聴器の性能規定周波数範囲は「125Hz~6,000Hz」です。8,000Hzは範囲外の高周波域であり、通常の補聴器仕様には含まれません。
5. 最大音響利得の代表値は1,000 Hzにおける値とする。
❌ 誤り。最大音響利得(Maximum Acoustic Gain)の代表値は「1,600Hz」で測定されます。1,000Hzではなく、より高周波側の1,600Hzが規準周波数として指定されています。
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【試験対策ポイント】
補聴器周波数特性測定の規準値一覧
| 測定項目 | 規準周波数 | 入力レベル | 補足 |
|---|---|---|---|
| 規準周波数レスポンス | 125Hz~6,000Hz | 60dB SPL | 最も基本的な周波数特性 |
| 最大音響利得 | 1,600Hz | 90dB SPL | ピーク値で記録 |
| 90dB OSPL | 1,000Hz | 90dB SPL | 最大出力特性の代表値 |
| 利得調整器規準位置 | — | 最大利得より6dB下 | 音量つまみの基準位置 |
| 性能規定周波数範囲 | 125~6,000Hz | — | 補聴器仕様の周波数帯 |
頻出パターン:「1,000Hz」「1,600Hz」「2,500Hz」の区別が試験頻出
- 1,000Hz:OSPL90(最大出力)のピーク値
- 1,600Hz:最大音響利得(MAG)の代表値
- 2,500Hz:出現しない(誤選択肢に頻出)
「6dB」「15dB」の区別
- 6dB:利得調整器規準位置(最大利得より6dB小さい)
- 15dB:誤選択肢の常連(実際には使用されない)