第17回 言語聴覚士国家試験 第10問
内科学第17回
睡眠時無呼吸症候群について誤っているのはどれか。
- 1.中年以降の男性に多い。
- 2.日中の傾眠がみられる。
- 3.高血圧の合併が多い。
- 4.大きないびきがみられる。
- 5.中途覚醒は少ない。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 中途覚醒は少ない。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が停止または低下する疾患です。無呼吸・低呼吸イベント中に脳は酸素不足に反応して覚醒し、これが夜間中繰り返されます。したがって、中途覚醒は**少ないのではなく頻繁に生じる**(むしろ特徴的症状)が正しい理解です。夜間の頻繁な覚醒が睡眠の質を著しく低下させ、日中の過度な傾眠につながります。
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【各選択肢の解説】
1. 中年以降の男性に多い。
✅ 正しい。SASは40~60歳の中年男性に圧倒的に多く発症します。女性では閉経後にリスクが上昇する傾向があります。
2. 日中の傾眠がみられる。
✅ 正しい。夜間の頻繁な中途覚醒により深い睡眠が得られず、睡眠の質が低下し、日中の過度な傾眠(昼間睡眠過多)が典型的症状です。居眠り運転の原因になります。
3. 高血圧の合併が多い。
✅ 正しい。SASの無呼吸イベント時に交感神経が優位になり、血圧が急激に上昇します。これが繰り返されることで、高血圧・脳卒中・心筋梗塞などの心血管疾患合併率が著しく高まります。
4. 大きないびきがみられる。
✅ 正しい。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)では、気道の狭窄により上気道の組織が振動して大きないびきが生じます。本人が気づかないことが多いですが、同居者が自覚することが多いです。
5. 中途覚醒は少ない。
❌ 誤り。これが問題文の誤りです。SASの患者では無呼吸・低呼吸イベントによる脳覚醒反応により、**夜間中に数十~数百回の中途覚醒が生じます**。これこそがSASの重要な睡眠障害要因です。
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【試験対策ポイント】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の臨床的特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発症頻度 | 中年~老年男性に多い(女性は閉経後に増加) |
| 自覚症状 | 大いびき・息止まり(配偶者が気づく) |
| 夜間症状 | 頻繁な中途覚醒・夜間頻尿・寝汗 |
| 日中症状 | 過度な傾眠・頭重感・集中力低下 |
| 合併症 | 高血圧・不整脈・脳卒中・心筋梗塞 |
SAS患者の中途覚醒:
- 無呼吸イベント1回(10秒以上の呼吸停止)ごとに脳が一度覚醒する
- 重症患者では1時間に100回以上のイベント=100回以上の覚醒
- 本人は「夜中に目覚めた」という自覚が曖昧(すぐに再入眠するため)
- しかし睡眠の質は著しく低下→日中傾眠につながる